VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
新年明けましておめでとうございます。旧年中は当「神慮の機械」をお引き立ていただき誠にありがとうございました。本年も新たな発展を求めてこのサイトを作っていこうと考えておりますので、宜しくご愛顧いただければ幸いです。
新年の抱負は、第一にはもちろんFate小説の更なる研鑽。第二には各種レビューページの充実。第三には……もっとこまめに日記を書く、でお願いします(何に願うんだか)。
ちなみに昨年のおみくじは「凶」でしたが、さて今年は未だ初詣には出てませんがどう出ることやら。本来昨日やるべき「結果報告」ですが、
と言ったところ。大当たりは産児ですかねやっぱり!(笑)
今日の一滴="酒:ヴェネトワイン「レチョート」赤" (2005/01/01)
年末に壊れた両親のPCの交換パーツ購入がてら、年始を祖母が過ごしている都内本郷の叔母宅へ。初売りで沸く秋葉での買い物はチャキチャキと済ませ───金を出すのも使うのも自分でなけりゃ大して悩みはしないのね(笑)───近いが電車じゃ行きづらかったのでタクって移動。あ、湯島天神に初詣するつもりがすっかり忘れてた。
さて、秋葉から御茶ノ水を抜け、湯島付近を通って本郷通りに入り、東大前を一直線。このエリアを車からゆっくり眺めるのは久しぶりだけど、何処となく街並みに「文化の匂い」とでも言えるものが漂っている。単に出版社が多く古書街があり、東大前も専門書店が多いというだけかとも思ったけど、そこから醸し出される本の匂いに留まらない、空間的な何かというか。確かに、特に根津の辺りなどは街並みが古いと言われるけど、今目に入る建物は当然別に古くもなんともない近代建築なのに、である。
それが、帰りに年始でガランとした道を駅まで歩き、のんびりした徒歩の目線で見て何となく判った。古い街並みとはつまり、区画が古いのだ、と。もちろん建物だって、例えば戦前からと思わしき一軒家などもあるけれど、目に付くのはちょっと歪で、細かくありつつゆったりもしていたりする家々の区画の分け方なのだ。
思えば、この辺りは東大という「史料価値」があったおかげで東京大空襲を免れた貴重なエリアだ。他にも都内には昔からの住宅街があるし、道の作りからだけで江戸や明治東京を偲ばせる場所もあるけれど、こんな風に街並み自体から印象を受ける場所は少ない。ここではマンションですら、街並みの中に織り込まれている。……裏を返せば、徹底した空襲がいかに「街の匂い」を消してしまうか、ということだ。今の匂いのしない街並みだって、何十年もすれば新しい時代の重みが新しい匂いを醸し出すだろうとは思う。でも、それにはやっぱり長い時間が掛かるし、更に言えばそれは江戸以来続いてきた匂いの後継とは呼べないだろう。
単なる区画分け一つを取り出しても、街が積み上げてきた文化の匂いが表れる。思えば如星が愛して止まない古都ヴェネツィアだって、それが海の上にあるとか、煌びやかな邸宅が残っているといった事以上に、路地の裏の裏が持つ歪さ、敷石一つからでも感じる歴史、同じ場所に時間を掛けて積み上げた匂いが自分を惹きつけている。表面に現れる建築様式などとはまた違う、街という概念の持つ一面を垣間見た、そんな夜の一人歩き。
今日の一滴="緑茶:掛川煎茶2004年秋茶" (2005/01/02)
そういえば言い忘れてましたが、今年の年賀状は本日発送しましたのでよろしくお願いいたします(汗)>関係各所
それでも年賀状を紙で送ることにこだわる私。メールもWebカードも「残る」という点では紙の葉書には勝てないし(注:デジタル媒体全体じゃなくてメール等の話ね)、また一方で無粋な解説をするならば、年賀状を送るということは、紙の葉書をデザインして印刷して送る、という「コスト」を払ってもいいと思える相手との疎通確認でもあると思うのだ。それに例え今は年賀状をやり取りするだけ、なんて相手であっても、それはつまり過去のある時点ではそのコストを払ってもいいと思えた相手であり、かつそれを今も続けようと思える何かを残してくれた人ということなのだから。
そういう意味では、如星の送る年賀状は結構少なく、せいぜい30枚程度。それ以上増えると一筆添えるのも面倒だし、コメントの入らない年賀状なら、それこそ、別にメールやWebカードでいいのだからね。
今日の一滴="−−−−" (2005/01/03)
この日は一応有休。年始休暇の最終日ということもあり、ぶどう氏と柚帆女史を誘って外呑み始めを敢行する:) となれば、やっぱり場所はSTONEfree@横浜だ。
前までストーン系列の店をあちこち回っていたバーテン氏が横浜石専任で帰ってきており、久々に彼のセレクションで最後まで通して頂いてみた。バーテンとは言わば「生きたメニュー」であり、元々こっちが付け焼いた知識じゃ太刀打ちできない知識と経験から選んでもらうのが好きな如星だけど、こちらの好みに合わせてもらうとはいえ、やはりバーテン氏それぞれの色は出るもの。新年に相応しく、新しい色の波を味わってみることにした:)
ドイツの薬草酒で有名なウンダーベルグ(手のひらサイズのミニボトルでよく見かける)と「シュタインへーガー」という同じくドイツのジンのカクテル。食前酒向けに、薬草の苦味と強いアルコールですっきりするモノを作ってもらった。なんか「ドイツの胃薬」という台詞が浮かぶ構成だけど、実際薬草風味がキリリと旨い。バーテン氏曰く、薬草の癖もあるし強いしで勧める相手を選ぶ酒とのことだけど(笑)。
牛タンシチューに合わせてのモルトということで、よく飲むアイラではなく、個人的に馴染みのないシェリー樽仕上げの一杯を。どちらかと言えば同行のぶどうさん好みの酒だけど、試してみるとこれが、この香り立つ甘さが肉と良く合うのだ:) K氏セレクションで飲むのは実に久しぶりなんだけど、旨い当たりを持ってきますねぇ。しかし名前を忘れてしまって全然思い出せない……ま、そりゃいつものことだけど。
ウォッシュ系のヤバいところばかりを盛ってもらったチーズと合わせで一杯。最初香り物の酒(マールとかブランデーとか)を考えていたのだけど、香り物ならコレも負けてない、というお勧めで選んでみた。最近バーボンも開拓したいとこだったしね。──結果は大当たり。敢えてバーボンでもロックなどにせずそのまま濃厚な樹液のようなコイツを舐めながら、とろけきったウォッシュを食う幸せといったらない:)
旨いチーズに合うワイン、というのは今やあちこちで勧めてもらえるけど、チーズといわゆるハードリカー系の酒の合わせを真面目に提案できるのはバーしかない、というのが氏の持論らしい。確かに如星が好んでチーズと合わせるグラッパやマールだって最近ようやく知られてきた程度、普通のバーなら一種類置いてるかって程度の知名度である。ましてや「ちょっと普段考えないような取り合わせ」を提示できるのは、酒の本職たるバー&バーテンしかないよなぁ、と痛感した次第。
最後に正月特別メニュー(笑)の鴨雑煮で締めると決めていたので、その前の酒の締めということで3人全員で飲んだのがこれ。蓋に南京錠がしてある変わった酒で、名前も南京錠の意らしい。甘く濃厚、シロップのようなキツさすらあるクリームシェリーで、これを「絶対のお勧め」ということでブルーチーズと合わせて頂く。 実際この強い甘みと、青カビのピリリとした感じが絶妙。青カビは「ちょっと強いのが今あまりなくて」と言われていたけれど、確かにこのクリームシェリーならもっと強烈なピカンテでも合いそうだ。うーん、こういう合わせもあるんだねぇ……。
今回はフードもがっつりと。牛タンシチュー、柚帆たんの
今日の一滴="−−−−" (2005/01/04)
今日の一滴="−−−−" (2005/01/05)
お待たせいたしました。「神慮の機械」リニューアル、とりあえず器の完成です。
「年始休暇中にちょろっと済ます」程度のつもりのはずが、htmlもcssもある程度真面目に線引きし直すとなると予想以上に手間取り、また折角変えるならデザインも少しは……などと欲目を出し始めたのも運の尽き。結局こんなに時間が掛かってしまいました。
……いや、あまり変わってない様に見えますが、裏方は結構手を加えたのです。見た目が大差ないのにスタイルシートファイルのサイズは1/3以下になりましたし。増築改築設計失敗等、以前のが酷すぎたというだけなんですが(苦笑)。
なお、デザインについてはまだ煮固めてはおりません。ここが見づらい等のコメントがありましたら是非今のうちにお寄せくださいませ。
そして最初に書いたとおり、デザインは単なる「器」。現在新デザインが適用されているのは今年からの日記とトップページのみですが、過去日記を除くサークルインフォや小説ページ等は随時新デザインに置き換えていく予定です。その過程で、積年の加筆修正を進めて行こうと目論んでおります──こちらが「中身」ですね。嗚呼、これも欲目かもしれませんが(笑)。特に小説ページへの紙発行加筆修正の反映は前々から必ずやらねばならないと思っていたところですし、今後数日に1ページぐらいの速度で改築していけたらと思っております。気長にお待ちいただければ幸いです:)
今日の一滴="紅茶:Le Voyageur(マリアージュ)" (2005/01/13)