VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 10月上旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2005-10-03-月】

イタリアフェア@銀座松屋:売り手の質は重要なり

日記まとめ追い駆け書きを何とか試みつつ。

先日銀座松屋にて開催されていたイタリアフェアに行ってみた。といっても最初から目的があって訪れたわけではなく、単に待ち合わせまでの余り時間にふと看板が目に入ったから、という程度の心持ちだったのだ。しかししかし、行ってみるとこれがなかなか魅惑的な催しだったのであります:)

催場スペースはイタリアの工芸品やら食料品の出店で埋まっていたわけだけど、当然如星の興味として食料品エリアへ直行。これが通り一遍の生ハム屋などだけでなく、レアなオリーブオイルやら、向こうの果物のジャムやら、日本には店を出していないショコラティエのチョコなどなど、飲食好きの舌を大変そそるラインナップだったのだ。しかも、出店の人のほとんどが単なるバイトなどではなく「相当心得た」人で、食材ネタやイタリアネタを振ると見事に食いついてくれ、適切なリコメンドをしてくれるのだ。……どうやら、普段あまり一般の小売店には出ないイタリア食材の輸入代理店の方が、輸入元のイタリア人と組んで店を出しているパターンが多かった模様。こーゆーモノは好きな人間がいないと扱えない商品なだけに、そりゃ店員のレベルも高いわけである。納得。

中でも目を引いたのが、向こうでも生産量が少なく、日本ではレストラン向けにしか卸していないというグラッパ。こいつを乾燥イチジクの練り物(フィグの「サラミ」と書いてあったが、日本人的には「いちじく羊羹」)と一緒に売っている辺りが小憎い。店の方もこちらがグラッパ飲みと分かると嬉々として解説してくれ、当然お買い上げとなった次第。他の店では、ヴェネツィアのコーヒー屋「カフェ・アル・ドージェ」の豆を使った「シチリアカフェ製の」トローネ。何故シチリアでヴェネツィアの、という辺りから、現地のアル・ドージェの話で店員と盛り上がり、ここもまたお買い上げ。うーん、この売り方は卑怯だな(苦笑)

このほか特筆すべきは、「ルカ・マンノーリ」という名の知れたパティシエ(らしい)のチョコ。正直その場で初めて名前を聞いたわけだが(笑)、ここの各種チョコペーストが旨いの何の。ここでは桑の実とチョコをあわせたペーストをゲット。さらに胡椒を三種練り込んだ板チョコを買ったのだけど、帰宅後試してみたところ、これが思わず唸ってしまった。……一応如星もチョコ好きということで、いわゆる有名ショコラティエのチョコをたまに買ってきて試すのだけど、正直「値段相応に凄まじく旨い」と思うことはあまりないのである。もっと繊細な舌なら違いが鮮明に分かるのかもしれないけど、ああ確かにいいチョコ使ってるな、という程度がほとんど。だがしかし。このチョコには問答無用一発陥落である。格の違う違う味の深み、とでも言えばいいのか。元々カカオ75%と濃厚で、酒飲み好みのチョコではあるけれど、それにしてもカカオ自体の持つ複雑な香料の様な重みと、舌に残る胡椒の感覚が見事。「味を組み立てる」とはこういうことかと問答無用で納得させられてしまった感じだ。 ちなみにその日はマンノーリ氏本人が顔を出しており、何やらこっちが旨そうに試食して買っていくのが嬉しかったのか、外箱にサインをもらってしまった(笑)。まぁ、何かの記念と言うことで取っとくことにしよう。

スペース内にバールが出てたのも嬉しい。ちょっと買い物疲れしたところで、ひょいとエスプレッソを立ち飲みしていける感覚はイタリア旅行中に御馴染み。カウンターにはスツールもあったけど座るほうが面倒だ。当然砂糖を一さじ突っ込んで、さも旨そうにカフェを啜っていると、なんかそれだけで同属と見なされたのか(笑)、向こうの方から「旨いグラッパとかもあるんでどうです」と嬉しそうに試飲の器が差し出されたり。この「お互い嬉しそうに」という辺りが、本日のキーワードのようである:) ちなみに出されたのは、これまた樽モノのかなり旨いグラッパだったのだけど、前述の一本を買ってしまっていたのでやむなく断念。「e-tricaffe」という、日本ではショップ自体はまだないところのカフェでした。豆のクオリティは酸味が少ない如星好みの高クオリティだった点を付記しとく。

……とまぁ幸せに満載して帰還、となれば万々歳だったのだけど、この話にはオチがある。実は日曜日と、月曜日の二回に分けていく羽目になったのである。月曜日のほうは意地と言うか、あまりに勿体無く悔しかったので、仕事移動時間を使ってまでの進軍。……日曜日の戦利品を網棚に放流してしまったのでね( ´・ω・`)

東海道線の銀座松屋の紙袋を掠め取った御仁、随分と得をしたようだなええいコンチクショウ。同日に友人からもらった土産物も流してしまったのでかなり鬱し。

業務連絡・とらのあな再出庫

ずいぶん告知が遅くなってしまったので(本日10/16……)あまり意味がないのですが、夏コミ本「Fate/estate dolce」について。9月初頭にとらのあな様に出荷した分は、おかげさまを持ちまして早々に完売してしまったようです。不慣れなもので9月末までその辺りを把握しておりませんでしたので、本日10/03に若干部数ですが再出庫を行いました。とらのあな秋葉原・名古屋・なんば店及び通販にて取り扱いいただいているようですので、コミケ外でお求めの方はよろしければご利用くださいませ。

って今(16日現在)見てみたら通販は注文不可になっていますね……(汗)

今日の一滴="e-tricaffeのエスプレッソ" (2005/10/03)

【2005-10-09-日】

イタリア展@新宿伊勢丹:幸せの砂糖菓子

……全然日記が書けてません@10/23。とりあえずフォローアップ。

さて先週の銀座松屋イタリアフェアに引き続き、今度は新宿伊勢丹のイタリア展に行ってみた。

結果。まぁ、悪くはなかった。悪くはなかったのだけど、松屋より会場自体は広めのはずなのに、出店をやたら詰め込んでいるからか通路も狭く、そこに新宿の人出が加わって大混雑。とても落ち着いて買い物ができる雰囲気ではなく、どっちかというとスーパーの生鮮安売り状態である。こうなると先日可能だった店員との掛け合いなど望むべくもなく、向こうも雪崩れ込んでくるオバサマ相手にひたすら売りさばくというモード。……大体出店の選択も謎で、店を詰め込んで幅広くなのかと思いきや、パルマハムの切り落とし屋やオリーブオイル屋ばかりが4〜5軒以上も重複していたり。企画としては松屋のそれに数段劣る、という印象だ。カフェを飲ませる店も出てたけれど、今月有楽町に出店するCafe Covaの先行宣伝らしい。買い物疲れをキュッと引き締めるバールスタンドというよりは、向こうの真面目なパティセリエ付きカフェを持ってきて、おまけでカウンターがあるという感じ。悪くはなかったんだけど、やっぱりちょっと「違う」んだよなぁ。

さておき、それでも幾つか目を惹く物があったので確保。

この日一番の当たりは、写真の砂糖菓子。Pietro Romanengoというジェノヴァの砂糖菓子屋のモノらしい。出店ではマロングラッセのような「苺グラッセ」を主力で扱っており、一つ買い食いしてみたところ確かに旨かったのだけど、かなり高めの値段を払ってまで買込むほどではなかった。が、その横で売られていたシンプルな砂糖菓子には脱帽。シナモンシュガー、アニスシュガーはきちんとシナモンの小片、アニスシードを砂糖に包み込んだもので、噛み砕くとスパイスが苦手な人には勧められないほど、それぞれの香りが強烈に広がる。シュガーボンボンもシンプルではあるが丁寧な造りで、外殻が砕けるとジュワッとリキュールが染み広がる。5cm四方の小箱に収められ、数からすれば決して安くない代物だけど、逆にそれ故、疲れた時等に時折取り出して一粒放り込む、という感覚がいい感じ。──何処と無く星野リリィ「ハレムでひとり」の角砂糖を思い出してしまった(笑)。この店のシンボルらしい濃紺の包み紙も品が良く、軽い手土産なんかにも最適だろう。

この他にはマスタード入りのジャムという不思議な食材「モスタルダ」のイチジクや、香りが全然違うと言われる向こうのにんにく(アーリオ)などをちまちまと購入し、帰還。いや良い物はゲットできたんだけど、人込みで疲れますた……やっぱイベントの作り等含め、銀座松屋辺りとは客層自体が違うんだなぁと実感。

今日の一滴="−−−−" (2005/10/09)


 
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