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神慮の機械

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  • 2009.12.29 アージュ「レイン・ダンサーズ」作品提供
  • 2009.08.14 アージュ「チキン・ダイバーズ」シナリオ&演出(詳細)
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last update: 2010.01.03

【2010-02-03-水】

ここしばらくの摂取物メモ:ノンフィクション編続き

昨日は「疫病と世界史」が長くなってしまったけど、この他にもちょいとノンフィクション系の続きを。

斎藤美奈子「戦下のレシピ」

これはメカ本の文化項目辺りを書く際にもかなり参考にさせていただいた。太平洋戦争下の、日本での「食事情」を描いた一冊である。大局的な食糧事情のみならず、特に主婦の視点から実生活上の「調達事情」から「調理法」までを幅広くカバーしている。

日本全体としての食事情の話は、すぐに大井篤氏の名著「海上護衛戦」へと連想が繋がってくる。昭和初期、戦争直前は明治以降始まっていた「空前の米食ブーム」のピークにあり、その時点で既に米消費量の20%を外米に頼っていたという事実。植民地であった台湾や朝鮮産が主体とはいえ、戦争前から既に食料を海外から輸送し無い限り日本は飢える構造になっていたにも関わらず、政府は「日本は戦時下でも食料欠乏に陥らない」などと寝言を言ってたのだから笑ってしまう。その後の日本がどうなったかはご承知の通り。最後には対馬海峡ですら渡せなくなった海軍の様を描いた「海上護衛戦」と、この「戦下のレシピ」は見事に直結してるのだ。

さておき、もう少し身近な視点で行くと、まずそもそも昭和初期は家庭料理の幅が一気に広がった時代であり、流通の進歩やインフラの普及、健康と衛生という国策が結実した時代だったと言うこと。「主婦」の調理能力が飛躍的に上がっていたことは、ある意味まだ幸運だったのかもしれない──「工夫は主婦が何とかせよ」と言えるようになっていたのだから。

一方、戦争中の食事というと「不味さ」や「少なさ」ばかりが目に行くけど、現実には「日々の食材調達」から「調理」に至るまで、無数の困難が存在している。食糧難などと言っても完全に実感が湧かない世代である自分にとって、指摘されれば至極当然の事ばかりながら、本書は目から鱗の描写の連続だった。

──毎日の数時間を配給の行列に費やし、万が一逃しでもすれば文字通り数日間食い物無し。灯火管制や頻発する空襲警報の下では、当然まともな煮炊きなど出来るはずも無い。味も食感もとにかく誤魔化さないと食えない物をひたすら粉にして食い、当然その為には調理にも異常なほど手間が掛かるという二律背反。いつ空襲警報が鳴っても火を心配せず飛び出していけるよう、毛布とダンボールで作る「スロークッカー」まで活躍していたという(ちなみに黒豆の煮方には祖母の代から「毛布で保温してスロークックする」方法が確立してたようだけど、案外こういう経験が反映されているのかもしれない)

前線の糧食の話でも、大上段の食糧事情の話でもない、まさに家庭レベルでの「戦争体験」。純粋に食の読み物としても面白いので、これまた是非お勧めの一冊だ。

同人誌情報他、オルタ関連など

冬コミで発行しました「オルタネイティヴ・ストーリィ2」、おかげさまを持ちまして好評をいただいております。

現在メロンブックス様にて委託中ですが、秋葉店でもしばらく見かけないなぁと思っていたら、店頭在庫は既に無い模様。通販側もあと僅かのようです。今後店頭側に在庫を回すことは難しいと思われますので、購入をご検討中の方は、通販の方をご利用いただければ幸いです。

なお、現在のところ増刷は予定しておりません。地方の方々を始めとして入手困難であった方々には大変恐縮ですが、同人誌ならではの出会い物と言う事で、平にご容赦くださいませ。

レイン・ダンサーズ

また一部お問い合わせをいただいたのですが、「神慮の機械」トップページでもお伝えしている通り、昨年「オルタネイティヴ・ストーリィ」に掲載しました「レイン・ダンサーズのプリマドンナ」につきまして、アージュ通販等で販売されたオルタセット内にてゲーム化をいただいております。

今回は「チキン・ダイバーズ」の時とは異なり、シナリオ修正や演出等はアージュ様側にお任せしておりますが、機会がございましたら是非お試しいただければ幸いです。

TSFIA「ユーロ・フロント」

告知が遅くなってしまいましたが、先月発売の月刊ホビージャパンにて、久々のユーロフロントシリーズをお届けしております。今回の戦術機はEF-2000タイフーンの「英国仕様」にて、キャラとしても今まであまり描写されてこなかったヘルガを扱っています。直情キャラって、やっぱいいですねぇ:)

ちなみに英国仕様のあのカラーリング、吉宗綱紀氏やオルタチームメンバーでも色々と検討し、王室御用達風のダークブルーなども候補に挙がったのですが、最終的には吉宗氏の掲げた「ジャガーグリーン」をイメージして決定されました。流石にあの深緑にはならなかったのですが、こうして実際に出来上がってみると、意外なほどイギリスらしい(ちょっと胡散臭い)ノーブルさが出ている気がしますね!

なお、次号も維如星にてお届け予定です。既に手元に写真は届いており、ふふ、これまた書き手ながら楽しみな回になりそうです。乞う御期待。

(2010/02/03)

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