VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
ああああどんどん書きたいことが風化してしまう。
先日池袋方面に出たついでに、ヴィクトリアン系と噂のメイドカフェ「Wonder Parlour」に行ってみた。
旧アニスシードが閉店して以来、最近はすっかりメイドカフェ関係からも縁遠くなってしまっている。そもそも段々「メイドカフェ」という名前を冠するのに疑問符の付くような、単なる「コスプレカフェ」な店の方向に業界全体が傾いていたし、下手すりゃ「メイド」の看板は安っぽい風俗未満のような、水商売に足を向けられないチキンなオタクの為の店のようなイメージすら漂い始めていたし。
そんなわけで、最近の開店ラッシュも斜に構えて横目で見てたのだけど、少しずつ「メイドというより秋葉系向け」と「メイドやメイド服に凝った店」など、一方向に特化する動きも出てきたのかな、という印象。元祖ヴィクトリアンメイド系に舵を取った店があるのならば、見てみて損はないだろうと足を向けてみた次第である:)
──結論から言うと、確かに悪くなかった。道に面したショーウィンドウ的な場所にはゴスブランド系の小物等で飾り立てたディスプレイテーブルがあったり、内装もヴィクトリアン風の壁紙でまとめ、隠しようのないコンセント等にも模様を入れて旨く誤魔化していたり。トイレもあまり快適とはいえないけど、そのままではダメだとしっかり認識して、色々小物で飾り立ててたのには好印象。フードメニューとしては、紅茶がしっかりしてたのは嬉しい。それ以外は、ま、ありがちなメイドカフェメニューと言ったところ。
しかし。逆に言うとそれだけ、なのだ。内装も頑張ってはいるけど「後付」のレベルだし、確かにロングのメイド服は良かったしサービングも丁寧で嬉しかったけど、何か取り立ててメイド文化的なところがあるわけでもなく。要は内装や服装だけで勝負に出ると一般のカフェ等と同じ目線で評価を入れざるを得ず、その評価線上だと、やはり市場的に小さくコストも掛けられないメイド店舗では今ひとつ勝てないのだ。……つまり、何だかんだ言ってもメイドカフェというモノは、何処か「テーマパーク」的な、アトラクションめいた何かを求められてしまうということなのかもしれない。
これで立地が良ければ、普段使いの店としてはそこそこ良かったかもしれない。ふと思うに、そもそも秋葉のメイドカフェはどちらかと言えば「行くこと自体」の方も重要であり、そこの客やメイドさんたちと「集う」という経験の共有が主たる楽しみなのかも。その辺り、中身や見てくれこそ違えど、文化的にはヴィクトリア時代のパブめいた存在と呼べないこともない:) ただしそうなってくると、「秋葉原以外」のメイドカフェは「場所の共有」という観点に置いて、思った以上に不利なのかもしれない。
あ、池袋が生活圏な人には、ちょっくらママーリするにゃいい店だと思うので誤解なきよう。
今日の一滴="−−−−" (2005/09/21)
今更ネタではありながら、ネタに困ったらの法則で勝手回答。
……いや、オリジナルのも見てみたんすが、なんか設問が曖昧だしお気に入りの種類を定番の5から3にしてるのもよーわからんしという事で捏造と相成ったわけでありまして。つか英語がちょっと酷いのは直したほうがいいと思うけど、まぁいいか:)
やっぱりこれを自分でもまとめてみたくてバトンを受けたという面も:)
まぁこんなもんですかねー。紅茶はダージリン・アッサム・祁門辺りは農園を変えつつも常に保持している感じ。中国茶はかなり気分だけど、最近岩茶系は割りと常備化している。フレーバーは時折入れ替えはあれど基本的にマリアージュに限る(レピシエのフレーバーは茶葉が酷い)。あともはや普段飲みで手放せないのが加賀棒茶かな:)
青山ティーファクトリーのヌワラエリヤかも。非常に落ち着く、普段飲みに最適の味わい。
後は大抵気分とか疲れ具合で選ぶので、飲むお茶はまちまち。飲みたいお茶を考える時間もまた、茶飲みの幸せの一つ。
青山ティーファクトリーのウヴァ。店主さんがまたスリランカに自身仕入に行くと事前に聞いていたので、文字通りその日の内に成田から直行で店に持ち込んできたお茶をゲット。流石あのおっちゃんが選んできただけの事はある、素晴らしいクオリティでした:)
何より「紅茶を幸せに飲める場所」として真っ先に挙げられる店。日本では安いが故に逆に品質の良い紅茶を求めるのが難しい各種セイロンを、店長自身がスリランカに乗り込んで極上の茶葉を買い付け、揃えているお店。また茶葉の揃えも良い上に、店長さんの「紅茶を楽しんで飲んでって欲しい」という人柄が店にも表れていて、とても居心地がいい。お茶の友のワッフルやサンドウィッチも旨く、茶飲みプレイスとして非の打ち所なし。
外で紅茶を飲む店としてよく利用している。100g単位でしか買えないマリアージュの茶葉を試していくにはちょうど良いし、何気にケーキが旨いのである:) 植民地風の内装も雰囲気良し。時折サービングレベルが今ひとつな事もあるのが玉に瑕。あと結構ランチがお勧めだけど、週末は混んでいるのでどうせ行くなら前日までに電話を一本入れておいた方が無難。
中華街の和みスポットにして、本当にのんびり中国茶を楽しめる場所。扱ってる種類も豊富だし、甘味もフードも充実してる。サービングも柔らかくて心地よく、茶葉選びで迷ったら素直に店員さんに聞けば、色々とリコメンドしてくれるのも嬉しい。何より椅子の座り心地がとてもよく、心置きなく長居(!)できてしまう。
中国茶のクオリティが非常に高く、種類も多い。スイーツは種類は少なめだけどレベルは高し。夏の冷茶もすげー旨いのです:) またこの店はちょうど表参道の街路樹の梢の高さにあって、緑の上に遠くの街並みを望む大窓の眺めが心地良い。いつ行っても混んでるのが難点といえば難点。
2000.08.18追記:改装によって梢の高さではなく下の階に、また内装も落ち着いた感じからメタルギンギラの謎な香港ドラゴン風(謎杉)になってしまいました……。茶は相変わらず良いし甘味も良いし、飲んだ茶葉のメモカードをくれる等中国茶の普及にも力を入れてる様は分かるんだけど、ねぇ……。
何処行ってもそれなりのクオリティの紅茶と、それなりのクオリティのスイーツが食えるという安心感がある。なおどの店も店員さんの可愛さのレベルが絶対に一定線以上に維持されているのは偶然ではあるまい(笑)。
ちなみにここの食器ラインナップ「ATライン」のティーポットは、未だこれを越える機能性を持ったポットが他に現れていないという逸品。お勧めです。
選外:レピシエ各喫茶。行ってまで飲みたいと思うほどお茶の入れ方が巧くないし、店の雰囲気もスイーツも平凡。茶葉専門店の癖に禁煙じゃないってのも、何考えてるんだかって感じ。最近はほぼ茶葉補給専用で、それならネット通販でいいやというところ。
論外:神保町 ティールームTAKANO。店員の態度がとても横柄で感じ悪い。セイロンじゃあるまいし、ダージリンとか茶葉をポットに入れっぱなしにしてたら渋みが出すぎてしまうと思うのだが、渋いので茶葉を抜いてくれと言うと「渋いのがお茶です」などと説教してくる。紅茶のポットサービス自体が貴重だった10年前ならまだしも、これだけ紅茶を出す店が増えた今行く意味はまったくないと思うのだが、何故か昔からあるというだけで有名な店。
これを書かずには始まらない。如星が昔の彼女から、とあるお礼として付き合い始める前に貰ったもの。茶葉から紅茶なぞ淹れたことなどほとんどなかったので、どう淹れるのが旨いのかと調べ始めたのが、せいぜい「コーヒーより紅茶が好きかも」程度だった如星の紅茶の道への第一歩であった。始まりのお茶。
ちなみによほど印象が強かったのか、今でもこの香りは他のアールグレイではなく「Twiningsのアールグレイ」と識別できるようになっていたり。
その彼女がフランス土産に買ってきてくれた品。対面で好みを聞きながら茶葉を販売するというスタイルを聞いて随分と憧れたもんです:) 今日本のマリアージュで扱っている茶缶とはデザインが異なる本店仕様(?)の缶は、今でも部屋に飾ってあったり。
ロータス(蓮)という名前だけど、薔薇の香りの漂う紅茶。香りがきつ過ぎず、人工的でもない絶妙なバランスのお茶で、味わいも非常に折り目正しい、丁寧な感じ。個人的には「高島屋のお茶」という印象(笑)に惚れ込んで、一時期しょっちゅう飲んでいた紅茶。ただし最近買ってみたところ、妙に渋味の目立つ味になっていた。まぁ年毎に出来栄えは変わりそうなので、来年辺りまた買ってみるかなというところ。
中国茶=高い、という印象を持っていた如星だけど、悟空茶荘の店員さんに「安くて普段飲みだが旨い」という事で勧められたお茶である。その時セールだったこともあって、確か60g500円ぐらいだった記憶が。中国茶としてはかなり安い部類だけど、しかし淹れてみると確かに青味と余韻が十分すぎるほど旨い。なんだ中国茶も普段飲みで全然いけるじゃん、と認識を改めたお茶。
衝撃のお茶。これはいわゆる「生茶」と呼ばれる黒茶の一種。一般的なプーアルのように人工的にカビをつけて発酵させるのではなく、あくまで緑茶を積んで自然発酵させたものである。それゆえあのカビ臭さは一切なく、それでいて黒茶ならではの深みがある逸品。
……さておき、このお茶の最大の衝撃ポイントは何十煎でも入るという所である。蓋碗で淹れて茶海にあけて飲むわけだが、朝茶葉を用意して、後は延々お湯を沸かしてくるだけで夜まで飲み続けられるのだ。恐るべし黒生茶、封じ込められた味と香りの量が桁違いである。また淹れていくに従って、最初は黒茶の力強さを感じるお茶なのだけど、次第に水仙茶のような丸みも帯びてくる変化が楽しい。毎度「もう寝てしまうので仕方ないから茶葉を捨てる」という終わり方をする、なんともコストパフォーマンスの良いお茶なのだ。元は安くないけどね。
てけとうにどうぞ。意外と身近に茶飲みが少ないなー。
今日の一滴="−−−−" (2005/09/26)
なかなかここの恋愛診断が面白い。
よくある性格診断モノではなく、過去の恋愛経験を相方一人毎に入れていくタイプで、診断というより過去分析をするようなタイプ。なかなか鋭い分析だし笑える文章もあったりで楽しいのだけど、入力した恋愛履歴がばっちり結果に表示されてしまうので、結果ページを晒しにくいという難点がある(苦笑)。
さておき。この各履歴を入れていくというのが結構大変で、向こうもそれを考慮してか「入力中データ保存」機能までついてたりするのだが、分析結果を実体に近づけるためには、極力正確に回答していく必要がある。まぁ「客観的に」というのは色恋沙汰でありハナっから不可能なので、自分の中で各人を「相対的に」評価して回答に差をつけるのが、正確な分析を得るコツかも。また履歴を入れるという前提上、過去に一人しかいない、とかいうパターンだとあまり面白い結果にはならない模様。
いずれにせよ、自分の恋愛に対するスタンス・性格を診断するより、恋愛とはまず相手ありき、という観点が現れている辺りが実に興味深い。過去及び現在進行形の「評価」ってなかなか自分自身ではやらないモノだしね。ちなみに如星の短評は「大恋愛人間」、実践的恋愛成績は「80点」でした。いやあもう各人に対する分析が大変鋭くて面白いのだけど、流石にこれは公開できませんなー。ま、一度ご自身でお試しあれ。
今日の一滴="−−−−" (2005/09/27)
リザロイ本@鋼練萌え。……いや現地(コミケ)で遭遇するまで全然想像してなかったカップリングなのだがコレがなかなかイケるではないですか。本命だったヒュロイ本が不発だったのを十分に埋め合わせてて良い感じ。「仕える」「守る」というキャラタイプはある意味典型なのだけど、鋼練の場合「凄惨な戦場経験」すなわちイシュヴァールという物語に凄みを与える設定が原作に織り込んであるわけで、真面目に戦争ネタを扱える力量を持つ作り手からすれば腕の見せ所というわけだ。
ローゼンメイデン本は思っていたより数が少ない上、メインジャンルではなくサブで描いてる人が結構多く、良質本を探し当てるのは結構大変である。が、逆にそれ故ジャンル外でも敢えて出している分作り手の思い入れが強いのか、そうして掘り当てた本は総じてレベルが高い。特にイベントモノではなく、あの人形たちに囲まれた日常を巧く原作の雰囲気を出して描いている作品など、平凡な日常を描く難しさを知っているだけに感心してしまう。
夏に購入した各種二次創作小説本をあらかた読了。が、なんというか「小説としての力量」ではなく「小説での二次創作」という観点で見ると、今ひとつ及第点の作品が少ない。小説で原作を感じてもらうのは漫画よりも遥かに難しく、かつそれは小説書きとしての実力はもちろん、それ以外の面でも求められるものが多いのだが、その辺をちゃんと重視している人が少ないって事なんだろうか。……まぁ手前はどうなんだとツッコミを受けそうだけど、これについては後日詳しく分析日記を書いてみる予定。
やっぱりコミティアで摂取するオリジナル本はクオリティタカス。特に最近如星が「フェチ本」と呼んでいるジャンル、いやジャンルと言っても数冊しかイベントでもお目に掛かれないけど、あるいは同人自体をネタにした漫画等、素材そのものに対しても個性の光る作品が結構増えてきている感じ。更にその辺りの本が普通に虎等の同人書店に委託で並ぶようになってきているようで、個人的には歓迎ムード。ああ、この辺の本をきちんと日記で紹介していきたいなぁ。
今日の一滴="−−−−" (2005/09/28)