VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 09月下旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2006-09-26-火】

雨が降ったらオヤスミで

雨の降る平日はとても憂鬱である。

や、決して雨自体が嫌いなわけじゃあない。例えば週末、雨だからと何処にも出掛けず、雨音に重ねるように音楽でも掛けながら茶を入れ読書、なんてのは非常に贅沢な時間の過ごし方である──例え読んでるのがマリみての同人誌であっても、いやそれだからこそ:) 降りたての雨の匂いや、心安らぐ雨の音。執筆中に雨音効果音なんぞを延々流してることもあるぐらいだ。

嫌いなのは「平日の雨」。要するに雨の日の何が嫌って、電車通勤が嫌なのである。他人の無神経さを改めて見せつけられ、苛立ち、疲れてしまう。ビニ傘を畳みもせず、あるいは折り畳みの柄すら縮めず剥き出しで満員電車に乗り込んでくるアホは相変わらず健在だし、柄を内側に肘に掛け=切先を他人側に突きつけ、電車の揺れで他人を小突き回しながら、本人は悠々メールに勤しむ女。鞄と一緒に「水平に」傘を握り込み、しかもそのままエスカレーターなど乗ったりするガキリーマン。網棚に濡れた傘を平気で乗せるオヤジ。……日頃のスカスカ音漏れヘッドホン野郎等の迷惑連中と同じように黙殺しようとも、こっちの場合は具体的に「濡れた傘をスーツに擦り付けられる」という実害を蒙るからねぇ。鬱陶しいったらありゃしない。

まぁそもそも、通勤電車ってのは非人道的なモノである。その普段の感覚では耐え難い不快さを、通勤に耐える同志というか、むしろ「通勤する集団」というある種の群体の生き物、人間ではない何かに精神を皆揃って切り替えることで、あの通勤は成立している気がする(笑)。そうやって感情を消して大人しく無言でやり過ごしたい時間と空間に、その状態を乱す存在が入り込んでくるってのが、普段以上にその手の連中に苛立ちを覚える原因なのだろう。朝の満員電車に「大声で喋り倒すハイキングウェアのおばちゃん」やら「すし詰めを喜ぶルーキー」なんかが入ってきた時の奇妙な連帯感も、その一つの表れかもしれない。

……オチなどないわっ。

今日の一滴="−−−−" (2006/09/26)

【2006-09-27-水】

Starry Starry Song Writing

随分今更の話になってしまったけど、今年の夏に如月まさとさん@Musicworkstationの夏新作「星に願いを」にてちょっとしたフレーズを書かせていただきました。

本当にちょろっと(笑)。一曲作詞とかそんな大それたモノではなく、間奏部分の台詞を出させてもらっただけなんすが(汗)。依頼を受けた時は「TH2+ボーカル=きゃぴ声」という図式が脳裏に浮かび、それに合う句など捻れるのかとビビっておりましたが、実際にボーカルの佳織みちるさんの別曲を聞かせてもらったところ、如星好みの落ち着いた、少しハスキーで伸びのある声量の方だったので一安心。プラネタリウムの解説のおねーさんというイメージで一句捻ってみました。正直草壁さんは印象薄かったんですけどね!

さて、そんな僅か数行の物書きワークだったわけですが、如星にとって小説外の「日本語作り」は初めての経験で、しかもこれが中々楽しかったのですよ:) もちろん如星は詩才などないし、そんな自分で良かったのか、あんな品質で良かったのかという問題はさておき。ただ一方で、一応如星は日頃小説を書く際に、台詞に限らず地の文までも「読み上げて小気味良い」文体にしようとする癖があり、その習慣が少し役立ったかなーという感じです。日本語で心地よい平仄、韻の踏み方等々──これは冷静に考えると少々「無駄」な部分で、別に商業小説でも読み上げまで気にした作品はそうそう目にしません。が、そういうところに無駄にこだわってみるのも同人小説書きの面白さかなとも思いますので:) ちなみに今回の件では、「SOUND ONLY」であるが故の単語の選び方が結構悩ましかったり。文字になっていれば少々難解な単語も使えますが、音声だけだと判別のしやすさも考慮しないといけませんからねー。

というわけで、初体験にしてグッと興味を惹かれてしまった如星。物書きとしての幅にもなるかとも思い、冬にも今度は「ろうらん堂」さんで一つ書かせていただくことに。が、がんばります。

ちなみに「星に願いを」は次回のサンクリや通販でもまだ頒布中のようなので興味のある方は是非。

今日の一滴="−−−−" (2006/09/27)

【2006-09-29-金】

イタリアフェア再び

去年に続き今年も銀座松屋でイタリア展をやるとのことで、去年の旨さたっぷりの記憶を胸にワクテカしてカレンダーの日々を数えていた。結局昨年買ったモノ、グラッパやらジャムやらチョコレートやら、どうしてもっと買っておかなかったのかと悔やむこと頻りであったのだ(笑)。ルカ・マンノーリのチョコだけはヴァレンタインの時に再補給できたけど、その他は結局ああいうフェアでもない限り買えないモノばかり。今回はたっぷり補給しようと待ち構えてたというわけだ。

というわけで、混雑する週末を避けて本日仕事後に行ってみた。大体の雰囲気は去年とほぼ同じなので、その辺りはざくっと省略。昨年コッレ・ベレートのグラッパを買ったところのおっちゃんが俺を覚えててくれたという嬉しい話はあったのだが:) もちろん、今年も迷わず購入である。

今年の新顔はチョコレートの「スリッティ」。マンノーリが来てくれないかと期待してた面では少々残念だったけど、いや今回のここもなかなか旨そう。色々と試食してみたのだけど、スパイスを使ったものは余り多くなく、どちらかと言えばカカオそのものや、コーヒー・コーヒー豆との合わせを得意とする模様。今回フレーバー系ではとりあえずジャスミンとペペロンチーノを購入、後はプラリネのアソートと、コーヒー豆コートとレーズンコートのものを1つずつ。ペペロンチーノはジョークかと笑うことなかれ、口に含んでカカオの香りを楽しみ、飲み込んだ後からふわっと一瞬、だが紛れもない赤唐辛子の旨みある香りが感じられる、といった風情だ。ただ、少々パッケージング等は「今時のお嬢様」ウケしないかなー、という印象。一見瑣末に思える話だけど、お嬢様ウケが良ければ来年のヴァレンタインでまた来てくれる可能性が高まるので、チョコスキーとしては気になるポイントなのだw ……ま、日本語サイトをキチンと作っている辺り、本格的な日本進出を考えているのかもしれず。今後の展開に期待である。

また全体の雰囲気で言うと、少々マニアック度が下がったかな、という印象。変り種のジャムやら食材やらも、少々ラインナップを絞り、また一般受けしそうなアイテムを押し出している感を受けた。前回少々はっちゃけ過ぎたとでも思ったのだろうか? 個人的にはもっとぶっ飛んでてもいいくらいなのだけどねー。

何にせよ、景気良く散財してご満悦の帰宅。だがどうも調べる限り、去年は銀松に軍配を上げたイタリアフェア、今年も同時期開催の伊勢丹は結構気合が入っている模様。散財が止まらない可能性もあり、引き続き注意が必要である(苦笑)

Lo Spazio

今回エリア内バールとして出展していたのは「Lo Spazio」。学芸大学にあるバールだとかで、バリスタさんも結構有名な人らしい。某ルキチャネルの知人が絶賛しており、またトップバリスタ御本人が来てるとも聞いていたので、来場早々早速バンコで一杯引っ掛けてみた。

バンコについてカッフェ一杯、と頼むと、フードコート付きのおねーさんが「こちらで座っても行けますが」と案内してくれたのはご愛嬌。バリスタ氏も「バールのシステムをご存知のお客様は少ないので一応ご案内せざるを得ない」と苦笑しながらフォロー。確かにカフェをふらり立ち飲む、という文化は(エスプレッソ自体は随分と日本進出を果たしたけれど)まだまだ日本では根付かない話だからねぇ。ともあれ、カウンター越しに生まれたささやかな連帯感にこちらも少々笑ってしまう。

さて。本題のエスプレッソだが、──いやこれは旨い。本気で旨い。実は今日は味を較べる為、というか舌にカフェの感覚を戻すため、有楽町駅で降りた際に「Cafe Cova」に寄って一杯引っ掛けてきてたのだ。コヴァのカフェは都内でもトップクラスの旨さで、まるでショコラーテのような滑らかさを感じる絶品なのだが──このロ・スパツィオのカフェは何と言うか、「黄金のピラミッド」という感じだ。雑味のないクリアな苦味、濃厚なクレマ、サーブされる時の熱すぎない温度、どのラインをとっても完璧。旨い。いやマジで旨い。コヴァのカフェが「上品さ」を極めたようなモノだとすれば、こちらのカフェは「カッフェらしさ」を極めた一杯と言えるだろう。

余りに旨かったので、買い物疲れを掃うべく帰り際に再訪問してもう一杯。思わず目の前で絶賛してしまいましたよ:) 普段学芸大学など行動圏にない同志諸君、このカフェのためだけででも銀松に行く価値はありますぞ。お勧め。

今日の一滴="ロ・スパツィオのエスプレッソ" (2006/09/29)


 
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