VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2006-03-05-日】

かふんしょお

今年もまた花粉症の季節到来。花粉症の何が嫌って、集中力が失われ、真っ当な生産活動ができなくなるのが堪らない。去年より飛散量は少ないはずだけど、何故か頭の重さは去年以上。いい加減医者の薬を処方してもらわねば……。

さて完全に鼻が壊れてしまう前に、次の紅茶ネタをメモっとこう。

春摘みダージリンとインドの地味

マリアージュ・フレールにて今年の春摘みダージリンの新茶を確保。

毎年の事ながら異常に速い入荷である。本来普通の紅茶屋に春摘みが並ぶのは4〜5月頃であり、これはかなり早摘みの上に航空便での仕入れらしい。缶にも大きく「ダージリン・ヌーヴォ」と入れている辺り、これはボジョレーと似たようなフランス人の初物好みの表れなのかもね。

実際早摘みという事もあり、味や香りはもう少し後から来る春摘みの方が強さも深みも上なのは確かである。しかしやはり紅茶好きとして、初物をいち早く飲むのはお祭りみたいなもの。まだ薄ら寒いこの時期にファーストフラッシュの渋味を堪能し、春先を感じるなんてのも乙なもんです:)

ところで春摘みを待つ間、去年の夏摘みや秋摘みのダージリンを入れていてふと思った。紅茶というのもやはりスパイスの一種なのだな、と。スパイスというより香味料とでも呼ぶ方が、何処か大航海時代を思わせる「インド〜東南アジア周辺の特産物」をイメージできるかもしれない。要はシナモン、ジンジャー、クローヴ、ナツメグなどなど、あの辺の香辛料のことである。

ダージリンは春→夏→秋と進むにつれ、どっしりとした「大地の味」みたいなモノを茶葉に蓄える。言葉では何とも表現しがたい、地味とも滋味ともいえる深みなのだけど、この香りが、特に秋摘みに到った辺りなど、どうもスパイス等と同じ系譜に属しているように感じるのだ。それは「インド地方の地味」なんじゃないかと勝手に想像している。その土地が持っている味。その土地が作物に与える固有の何か。もちろん、ダージリンはインド原産のアッサム種ではなく、中国種の紅茶をインドに植えたモノである。しかしそれでも、例えばイタリアントマトを日本に植えると二年後には日本のトマトがなってしまうように、インドの土地ならではの香りを蓄えてるんだなー、と実感したのだ。

こういう「土地のつながり」みたいなものを、モノの味とか香りの中にふっと垣間見るのも、飲食系の趣味の楽しみといえる。半分以上は妄想による連結だとはわかってるんだけどね:)

今日の一滴="紅茶:ナムリン農園春摘みダージリン2006年新茶" (2006/03/05)

【2006-03-09-木】

六日の菖蒲、九日のミモザ

ヴァレンタインのお礼にはミモザの花を。

……なんて書くと何処の商業コピーだという感じだけど、元々如星はホワイトデーなるモノが嫌いなのだ。イベントにかこつけて贈り物って発想自体は好きなんだけど、「お返し」みたいな返礼の感情までイベントに外挿してもらう必要ないじゃん、と言うか。おまけに何か思いを馳せられる文化的な背景があるわけでもないし、チョコレートやカーネーションのような時期物の名物があるわけでもないし、大体そのネーミングは何だと。某オルタ風に表現するなら、文化的背景ゼロ、固有特産物ゼロの00ユニットとでもいうべきか(笑)。ゼロゼロっぷりを反映してか、何処の「ホワイトデーギフトコーナー」なるモノのラインナップも売らんかなの商業主義一辺倒で、バレンタインのような楽しさもない。無い無いづくしである。

ま、そんな返礼強制日に自分の心情を代弁されるのが嫌だという発想は単なる天邪鬼でもあるのだが:) 幸いにもヴェネツィア偏愛主義者、ひいてはイタリアスキーな如星が真っ先に目を向ける「文化的背景つき」イベントがイタリアにはあったのである。3月8日は「あらゆる女性にミモザを捧げる」という「女性の日」で、大元は女神アリアドネの祭日なのだとか。別に親しい女性に限らず、バールの姉ちゃんなぞにも上げちまうという辺りが実に連中らしくていい。……流石にそこまでは真似できないけど(苦笑)、ミモザの花ならちょうどシーズンモノで何処の花屋にも置いてるし、花束ってのはタイミングさえ心得ていれば、不意打ちで渡しても喜ばれやすい。注文に相手の好みを反映させるのも楽しいしね。

オイオイちょっとした謂れさえついてりゃいいのかとツッコまれそうだけど、いやなに贈り物なんて贈り手の心ひとつ、自分が納得してればいいのである:) 人にモノを上げるって本質的には楽しいコトなのだから、自分が一番楽しめる方法を探すのが、快楽主義者たる如星の正しい道なのでありますよん。

……ちなみに表題の通り、一日遅れてしまったのはご愛嬌。

今日の一滴="−−−−" (2006/03/09)

【2006-03-10-金】

メモ

思いがけず島流し終了。小役人をみんなで頑張って猿回す日々終了。祝着祝着。

花粉症は医者の薬を入れたら恐ろしく効いてる。鼻の奥が乾く副作用は辛いけど、ほぼ鼻かみ要らずに。

さぁエンジン回していこかー。

今日の一滴="−−−−" (2006/03/10)


 
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