MACHINA EX DEO
如星的茶葉暮らし

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の全て。

【2003-12-01-月】

【オイスター・スピリッツ】

先週Stonefreeにて、今期初の生牡蠣を賞味。

生牡蠣が入っていると聞いて、以前バーテン氏に聞いていたお勧め「ジン掛け」と、以前村上春樹のウィスキーエッセイで読んだ「アイラモルト掛け」を試してみることにした:) いずれも話に聞いていただけで未体験だったし、バーででもない限り試すことも難しいわけで、これは願ってもない機会。食事の後だったのでとりあえず2つだけ、それぞれの食べ方で初生牡蠣を頂くことに。

まずはジン掛け。ジンはそれ自体がカクテルででもあるかのように複雑な香味を持つわけで、確かにソースとしての資質は十分である。牡蠣を軽くフォークで突いて、ジンがたっぷり染み込むように仕込む。貝殻の中にジンを振りかけて、するりと──旨い。当然ジンに塩気などはないので、牡蠣そのままの味が広がって、さらにジンの中のスパイスが彩りを添える感じである。さすがはお勧めなだけのことはあるねぃ。

次いでアイラ掛け。アイラモルトは元々「磯の香り」と呼ばれるほど潮っぽい。先のジンが「調和型」なら、このアイラは「猪突型」であろう──これまた貝殻の中になみなみとラフロイグを注ぎ、一挙に牡蠣ごと口の中へと流し込む。アイラの香りと牡蠣の匂いが波状攻撃を仕掛けて来て、さらにかみ締めると塩気と潮気が程よく溶け合う至福のひと時が。突き詰めた潮っぽさはかなり癖になりそうである。

しかしどちらにしても、酒飲みの牡蠣の食い方であることに間違いはない( ̄ー ̄)。40度以上の酒をぶっ掛けて食うのだから、当然お酒の飲めない人には勧められない。が、ジン好き、モルト好きの人であれば、是非何処かで試してみて欲しい。思わず高笑いしちまうこと請け合いである。

今日の一滴="ラム:バルバンクール15年" (2003/12/01)

【2003-12-02-火】

【紅茶色と秋茜】

週末、お気に入りだが切れてしまっていた紅茶「ロータス・ロワイヤル」を仕入れようと新宿マリアージュフレールへ。原稿執筆の友にでもしようという魂胆である。

新宿方面に出かけるついでに寄ったのだけど、なんと残念ながらロータス・ロワイヤルは銀座店でのみの扱いとのこと。新宿店も相当数のお茶を並べているけど、流石に「細かいフォントで数ページ分の」本店と同じ揃えにはできないらしい。無念……。

ま、ただ帰るのも悔しいので、ちょうど切れていたキームンをマリアージュで仕入れてみることに。今回は無論普通のを買ったけど、ここの上級茶葉「キームン・インペリアル」は、如星が茶好きになったきっかけを作った人が昔フランス本店(!)のお土産に買ってきてくれた思い出の一品で、今でも本店仕様のマリアージュ茶缶は如星の部屋に飾られていたりする。……今考えてみれば分不相応な、もったいないお茶だったけど:)

と、対応してくれていた例の植民地風の白スーツに身を固めた店員さんが、ふと一言「私は以前本店にいたのですが、もしかして私がロータスをお売りしたお客様ではいらっしゃいませんか?」

にゃんと。確かに非常に追加注文を勧めるのが巧い(そして決して嫌な感じはしない)この方、如星の方にも記憶が残っている、確かにその人なのだけど……あれだけ多くの客を扱っている中で、よくまぁ俺のことなんぞ覚えていてくれたもんだ! 偶然とは言え、なんだか客としてはやっぱり嬉しくなってしまう。しかも余所ならいざ知らず、あのマリアージュで。てひひー(謎)。 ……ま、紅茶の話を店員と花咲かせつつ、マリアージュの茶葉を買っていく若い男なんてのは珍しかっただけだとは思うけど(苦笑)

嬉しくなって結局勧められるがままに、ルイボスのフレーバーを買ってしまったのはご愛嬌。さ、流石巧いぜ旦那。

今日の一滴="ルイボス:rouge d'automne" (2003/12/02)

【2003-12-04-木】

【作戦終了、現世に帰投する】

本日0820時頃、無事冬コミ合わせの原稿を全て無事入稿完了いたしました。

これで無事、当「神慮の機械」は新刊発行の運びとなりました。君望小説本「機械仕掛けの永遠」アエテルヌス・エクス・マキーナを以って、今冬コミックマーケット64、東I-29b「神慮の機械」におきまして皆様をお待ちしております。合わせてコピ本等も予定しておりますので、ぜひお立ち寄りくださいませ。

新刊の詳細情報その他につきましては後ほど。まずは寝かせてください……。

いやー、今回は(も)危なかったです(苦笑)。深夜に軽く仮眠を取り、朝のこの時間までギリギリの作業でした──相変わらずその綱渡りっぷりは何とかした方がいいとは思うのですが、今回は性分というだけではなく、運悪く仕事の忙しい時期に当たってしまったのが大きく響きました。日頃は別段年末に忙しい職場ではないのですが、今回はトラブル対応という事で、こちとら給料という重い鋼鉄の鎖に縛られた身、致し方ありません(ま、この締切りを過ぎても一応割増料金で出すことはできたわけですし)。……いつもだと締切日は有給を取って備えるのデスが、今回はそれもできませんでした。

というわけで寝るどころか今から出社ですが何か。がふー。

日記等については明日から通常営業ということで……。追記もしていきたいな、っと。

【雑文欲】

ああもう! 書きたい日記のネタとかがかなり溜まってますよ!

なんとゆーかですね、ヤマなくていいオチつけなくていいイミなくてもOKな文章を書きたい欲求というのが、この2週間でドカドカと積もり積もっている感じです。ああ、目的無きやおい文章(意味誤用)万歳!

今日の一滴="リポビタンD2000+QPiカクテルショット" (2003/12/04)

【2003-12-05-金】

【日記補完キャンペーン】

先週分辺りから徐々に追記中。

しかし……12.09現在、ニセがしんどくてなかなか日記欲を満たせないまま……。

今日の一滴="−−−−" (2003/12/05)

【2003-12-06-土】

【マリアージュ始末】

先日(と言っても実際に行ったのはその日ではないが)触れたマリアージュ・フレールのお茶を仕入れに銀座本店へ。飲んでいく時間はなかったのだけど、カツカツと店内に入っていて、「ロータス・ロワイヤル」「1854」をご指名買い。

今日接客してくれたのは比較的若いおにーさんだったのだけど、さすがに例の紳士サマ程「売り込み」は巧くない。いや接客にはまったく落ち度はないんだけど、例えば今日はカウンターに「冬季限定」の紅茶のチョコレートが売っていたのだ。16片しか入っていなくて2500円と、確かに安いモノではないし勧めにくいのかもしれない。でも「あの人ならきっと見事に勧めて、俺は買うことになってたんだろうなぁ」と思わずにはいられなかった:)

こっちはシグナルを、例えば「紅茶リストも見ずに」「値段も聞かずに」茶葉のご指名買いをしているとか、いろいろ新作の話を振ったりと、「勧めれば乗るよ〜」という電波を軽くまいていたのだけど、しかし今回はなんだかあっさりと紅茶を買って終了してしまった。残念というか……ほら、背中を押して欲しい時、というのはあるじゃないすか。きっと押されればフラリと買ってしまう可能性が高いけど、押されずに買うほど安くはない、そんな微妙な線の上に乗っている状態である。

「客の傾向も見ずに『ポテトもいかがですか』と言うのがマーケティングだと思っている国の本など読むな」という至極真っ当な台詞を何処かで読んだような気がするのだけど、一方客の傾向を見極めてであれば、サイドオーダーの勧めは有力な戦術であることは確かなのだ。今回は珍しく客側からシグナルを出してすらいたのに、放置されると言うのもちょっと悲しいモノだ。……ま、きっと売り込みが「巧い」と言われている人は、そういう微妙なシグナル、購買のバランス線を見分けて「押す」のが巧いんだろうなぁ、と思ったのでした。

【We are Nuts.】

某所MLの忘年会へ。そういや「オフミ」とも呼べるモノに参加したのは随分と久しぶりな気がする──最近の如星の付き合いは「オン」と「オフ」の間に境目はほとんどないし、そういう普通の付き合いで出掛けるコトを「オフライン・ミーティング」とは呼ばないだろう。その観点からすれば、今回の忘年会も「ある趣味に基づくオフラインの活動」を主軸にしているのだから、珍しく活動外で集まって呑むというだけでオフミではないのかもしれない。だがそれでも、「ある一点以外では年齢も趣味も雑多な人々」が集まるという行為は、何処か昔懐かしいオフを──明確な目的と離散を持つ2chの「off」とは異なるそれを、想像させてしまうのだ。

「知っているモノ」をベースに「知らないコト」を話すのは、いつだって楽しい。

今日の一滴="モルト:余市シングルカスク10年" (2003/12/06)

【2003-12-07-日】

【4周目の石】

おなじみSTONEfreeが4周年の飲み放題パーティということで、もちろん襲撃。Serieのパティシエさんが焼いてくるという「カトル・カール・ポム」が気になったと言うのもあるのだけど:)

古い日記を繰ってみると、俺が初めてこの店に顔を出したのは2001/07/06となっている。つまり如星にとっては2年ちょいということか……もう少し前から行っていたような気もするのだけど。ただ、最初は「エギュベル・ジン」を目的に行ったということだけは確かだ。ただでさえ複雑な香味を持つジンの中でも、さらに単体でカクテルであるかのような深い甘さを持つあのジンに驚倒したときから、思えば「スピリッツの酔い加減」の道にはまっていたのかもしれない:)

如星にとっての二度目のSTONEfree的マイルストーンは、これまた古い日記を繰ると奇しくもほぼ一年後、2002/07/26。今日まで続いている系譜、アイラモルトの道にはまった日である。この日は亡き「ブローラ」から入って、ラフロイグやらラガヴーリンやらで一気に「ヨード臭さのツボ」にはめられたというわけだ。

ところで、この店は如星の酒の系譜であると同時に、自分のお気に入りの友人たちの記憶でもある。この店に連れてくる友人というのは、「きっちり話ができる」という、自分の中で相当近い人しか連れてこないし、連れてこれない。対岸のCafe Serieにもその傾向はあるけれど、あの店は大人数で行くこともできるからね。

過去の記憶が詰まった店というよりは、現在進行形の人間関係の、始まりの頃の思い出が並んでいる、というべきか。今日もこうして酒を傾け、親しき友人と話に華を咲かせ、その合間にふと、そんな人付き合いを、格別の酒とメシとサービングで支えてくれたこの店に、改めて感謝しつつ。

Congratulations on the 4th Anniversary of STONEfree.

今日の酒
  • ラフロイグ・あえてハイボール
  • マール・ド・ブルゴーニュ
  • ポルフィディオ・ラム
  • バロン・ド・シゴニャック 1966

【memo】

2003.12.17:後追い日記もそろそろ限界です(汗)。風邪と仕事で落ち着いて日記書けないし……さっさとあきらめて日々の日記モードにそろそろ移行しちまいますー。

この時期に体調悪いのしんどい……_| ̄|〇

今日の一滴="水:酔い覚めの水飲みたさに(略)" (2003/12/07)

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