VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 03月上旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2007-03-01-木】

TH2オルタネタ:BETA時代の戦線を考えるに

オルタ設定考察シリーズ再び。ご興味の無い方はすっとばしてくだされ。

対BETA戦線構築の基本概念

対BETA戦と言えば派手な(そして等しく悲劇的な)ハイヴ攻略戦ばかりに目が行くが、現実にはBETA大戦の「日常」は攻勢ではなく守勢、つまりは防衛線の構築が人類側各国軍の主任務である。

BETAはハイヴを構築すると一定の個体数に達するまでその地で増産及び周囲一帯の平地化を行い、個体数が飽和(数量等条件は不明)した時点で新規ハイヴ建造地を求めて前進を再開する習性がある。このため、人類はBETA支配域外縁部のハイヴに対して定期的に間引き作戦を行い、敵の進軍行動そのものを抑止しているのだ。が、この間引き作戦自体が人類に強いる損耗も大きく、それ故不幸にして間引き速度が追いつかなかった場合、進軍を再開して押し寄せてくるBETAの大軍に対し、その根拠地となる当該ハイヴを人類が壊滅させるか、BETAが新規ハイヴ構築を開始するまでかの間、通常のハイヴ周辺警戒戦闘を遥かに上回る壮絶な防衛戦が展開されることになる。……無論、1999年の明星作戦以前には、この防衛戦の帰結は常にBETAによるハイヴ構築、即ち人類側の領土失陥であったのだが。

さて、周知の通りBETAは光線種によって人類の航空戦力を放逐してしまったわけだが、同時にもう一つ、あらゆる鈍重な兵器を最前線から叩き出したと言っても良い。敵レーザーの連続照射に耐え続けられる装甲は存在せず、俊敏な回避能力を持つ戦術機以外の地上戦力は前線に立つことすら許されない。BETA大戦が無ければ世界中で展開されていたであろう近代的陸上機動戦とはまた別の意味で、戦車、自走砲、その他あらゆる大型陸上兵器は文字通り地平線の彼方に追いやられたのである。

これを踏まえ、BETAと直接接触する最前線は戦術機に任せ、戦術機を支援する砲撃陣地は地平線によって重光線級の射程外となる地点に構築されるのが定石だ。重光線級の照射粘膜は地表より15〜20m、つまり地形にも寄るが、彼らから見た地平線は12〜15km地点となり、更に等距離下がった30km前後地点が人類側の「塹壕線」となる。万事において基本はヘッズ・ダウン(頭を低く)、光線級の接近に少しでも抵抗するため、砲撃陣地および配置される砲の全高を極力抑えるよう、時間的に可能であれば一種の塹壕(掩蔽壕)を掘って敵のレーザー直接照射を回避し、さらに陣地の前方および上方に簡易レーザー防壁を展開した上で各種砲撃兵器を配置する。またこのような照射自体の回避を考えれば、防衛線は極力山岳地帯、少なくとも丘陵を挟んでの構築が最良とされる。また次善は大河を挟んでの戦線で、こちらは退却時に突撃級等の前衛接近を若干でも遅らせる効果があり、かつ無人河川砲艦等追加火力の投入も可能になるからだ。

逆にBETA側は光線級の存在により高所を取れば取るだけ圧倒的に有利なのだが、何故か彼らは極力平地を選んで侵攻し、かつ自占領地を全力で平地化していってしまう。この習性に人類は少なからず救われているのが現状だ。

実際の戦闘に当たっての支援砲撃は、敵の進軍に合わせてのAL弾の弾幕展開に始まり、その後通常弾頭を榴弾砲やロケットで送り込む点はハイヴ攻略戦と変わらない。が、こちらから打って出る、つまり支援砲撃の露払いが先行するハイヴ攻略戦やその小規模版たる間引き作戦とは異なり、受身となる防衛戦線の場合、後方で砲撃陣地を形成する間、戦術機は逆に先行してこの30kmの安全圏を死守せねばならない。よしんば敵の殺到前に陣地構築が完了し支援砲撃態勢が確立されたとしても、その後幾度となく攻め寄せるBETAに対し、常時AL弾を撃ち放し重金属雲を生成し続けられるわけはない。BETAの次波接近、AL弾砲撃開始から重金属雲発生までの時間、実効砲撃がほぼ撃墜されてしまう中で、衛士達に「死の30km(30 KLICKS OF DEATH)と呼ばれるこの死地に戦術機は進出せねばならないのだ。それが光線級の前に立つことを許された、唯一の兵器に課せられた使命である。

なお、この30kmを要撃級が突破するのに掛かる時間は30分程度。突撃級であれば最速20分足らずで殺到してくる。全ての戦闘車両は戦術機の打ち漏らす小型種程度であれば対処可能な近接防衛火器を装備しているが、突撃級、要撃級の機動力の前には為す術も無い。そして両者の後ろからは光線級の前進が始まるのである───故に戦術機の守りが突破されれば、如何なる不整地や山岳地帯をも全速で退却可能な戦術機とは大きく異なり、砲撃部隊の死命は陣地後方がどれだけ事前に整地されているかに掛かっている。恒常的にBETAの脅威に晒されている地域では、最前線、第二、第三ぐらいまでの防衛線を敷いており、かつ防衛線間の導線は最大限確保されているため、撤退の判断さえ適切に下せればかなりの部隊が生き延びられるだろう。だがBETAの急襲に合わせて敷かれた防衛線の場合、後方退却路の整備までは望めず、そこに待っているのは一方的な鏖殺のみだ。加えて、退却中の戦術機は砲撃部隊の撤退支援をほとんど行わない。戦術機と自走砲、衛士と砲兵ではコストが違いすぎるという単純かつ冷酷な理由により、戦術機甲部隊は一機でも多く後方へ帰還することが至上命令とされるからだ。

今日の一滴="−−−−" (2007/03/01)

【2007-03-02-金】

Dean&Deluca:食材の愉悦

仕事帰り、先日惚れたクスミティーのリーフ缶を買うため品川のDean&Delucaへ。最近ここのティーバッグを会社用として愛飲しており、マリアージュフレールの系譜にも似たフレーバーがなかなかに気に入っている。こりゃちょっと自宅でキチンと葉っぱから入れて試してみようと、缶の品揃えのよい品川D&Dまで足を伸ばしたというわけだ。

さておき、茶葉のレビューは後日堪能後にでも。この日はついでに、金夜を自宅で過ごす代償行為として旨そうなメシをそこのデリで買っていくことにした。正直結構値の張るモノばかりだけど、ええい黙れ黙れ週末である。ひょいひょいとムサカなどを選んでいると、ノリのいい店員に「ホームパーティーですか?」などと聞かれてしまう。「いや別にそうじゃないけど、週末ですよ」と笑って回答すると向こうも得心の表情で、じゃあ旨い酒など、そりゃもちろん旨い酒も、などと妙に話が弾んでしまう。ちなみに実際のところ、ここは結構外人客などでパーティー用にごそっと買ってく人も多いのだとか。確かにレベルといい変り種ぶりといい、パーティーなんかにはちょうど良い食い物だろうなぁ。

今日の献立
  • ギリシャ風ムサカ(数層の茄子とトマトに挽肉やマッシュポテトを挟んでチーズを載せて焼いたもの)
  • 豚肉の無花果巻き(文字通り。八角を使った中華風の味付け)
  • キノコとアーティチョークのマリネ

ついでにチーズ売り場に立ち寄ると、もうあの「売り場に漏れ出ているチーズの匂い」で矢も楯もたまらなくなってくる。シェーブルの「サントモール」を試食させてもらい、少々フレッシュすぎるかとも思ったけど「10日置けばさらにウマー」という好きモノらしい店員さんを信じて購入。あと如何にも旨そうな熟成コンテや、名前は忘れたけどもう溶け落ちそうになっているギリギリ感溢れる白カビも確保。酒のつまみも完璧である。

なお、ムサカも豚肉も旨かったのは当然として、予想以上に「異国風ママ」の味付けだったのには少々驚いた。特に豚肉など、こんなにもキチンと八角を利かせた、エスニックらしい中華な味付けがされてるとは思わなかった。これは流石都心ターミナルのお土地柄、という奴かもしれない。普通にこれを郊外の街中で売っても、恐らく日本人の舌じゃ受け入れられない人が多すぎて商売にならないだろう。雑多な人種が集い、あるいは各国の食材に慣れた人間が多く通る場所ならではの品揃えと言えるのかも。またデリに限らず、Dean&Delucaは「食材が人に与えてくれる楽しみ」を標榜してるだけあって、この日本のフラッグシップたる品川のショップは確かに楽しい。先ほどのチーズや肉エリア、デリ内にはキチンとシェフらしき人も常駐し(フランス人臭いおっさんなのだ。非常にラブリー)、彼の存在がモノの揃えや味わいに統一感を出しているのだろう。リコメンド等を含めた店員の質も高いし、何より取り揃えられた変態食材の山を前にぐるぐる舞い踊ってしまう。食い物の喜び、って奴をしみじみ噛み締めてしまえる場所なのだ。

とてもこんな店が食の砂漠アメリカ発祥だとは信じられん。

今日の一滴="酒:貴腐のグラッパ(名前忘れた)" (2007/03/02)

【2007-03-05-月】

無能なリーダーの典型例

このネタ文章を読んで、思わず頭を押さえた。ああ、こういう勘違い野郎っているよなぁ、と……もちろん、勘違いしてるのは新人に対する上役である「不条理くん」の方なんだけど。

要するにこの話、

  1. 先輩から新人の後輩に「特にこのへん、重点的にお願いできるかな」の一言で調べ物を依頼した

  2. 「はい、時間のある時に、少しずつやっときます」と新人君は回答、先輩はそこに別段補足もいれず終了

  3. 数日間そのまま

  4. 先輩が調査状況を聞くと「まだ全然手ぇつけてません」「時間のある時って最初に言った」

  5. これが後輩の仕事じゃないのか、一体何の時間ならあるんだと先輩が内心逆切れ

というものだ。お分かりだろうか、もちろん新人君に完了基準もスケジュールも明確にせず投げっぱなしにして、任せた気になっている先輩側がアホなだけである。他人にタスクを振る際にその2点を確実に伝えなければ、そのタスクは「ベストエフォートでいいんだ」と受け取られても文句は言えない。これ、以前書いたメールの話に少し似ている。漠然と送っただけのメールはFYI扱いされても文句は言えないのと本質は同じだ。

「まずはどれぐらい調べられるか見たいから、とりあえず明日の夕方まで(スケジュール)出来る限りやって(完了基準)ね」と、たったこれだけの事が言えなかった自分をコイツは恥じたほうがいい。確かに、受け手からすればその2点が明示されなかった時点で(心の中で相手に無能の烙印を押した後)、その2点を受け手から確認しておくのも基本スキルの一つではある──無能な上役に対しては自衛の意味も持つし。と、相手が手馴れた人間ならそれでいいのだろうが、この場合の依頼先は新人という設定。「ここでのキミの仕事」をキチンと示してやるのが先輩にしてリーダーの務めのはずなんだがなぁ。

ま、原文がネタ全開書き散らしってのは分かってるんだけどね。しかしこれを指して「これだから新人は云々」とか脊髄で付和雷同する奴が出てきそうで嫌なんだよなぁ。結局この話、手前勝手を棚に上げた呑み屋レベルの愚痴をさも「業界の話」みたいな流れで披露してるだけなんだもの。まぁ数話遡って読んでみたところ、どうも全体的にアイタタな論調のようで以下略(こんなチラ裏クオリティで稿料入る身分は羨ましくもある:p

なお、関連して「納期も基準も明示しなかったことを逆手に取る」という小技もあったりするが、まぁそれはそれ:) 本質的には一蓮托生のチーム面子を陥れてもいいことないからねー。例外は常にあるけど。

今日の一滴="−−−−" (2007/03/05)

【2007-03-09-金】

ひとやすみ

ちょっと最近「物を書く」ということの意味を見失いつつあります。

書きたいネタは結構ストックとして溜まっているはずなのに、それを本当に書きたいのか、それとも書かなければいけないから溜めてるのかが分からなくなってきたというか。書かなきゃという思いと書けなかったという後悔が堂々巡りな日々です。

というわけで、しばし物を書くのを辞めてみます。それに耐え切れなくなって「いいから書く」となればしめたモンです。存外数日でなるかもしれません。一ヶ月経っても変わらないかもしれません。でもとりあえず、来週一杯は原稿も含め何も書かないということにしてみました。何となく書かないではなく、書かなくて良いんだという状況を意図的に作ってやるという、まぁ過去にも何度かやったことですんで。

それでは、またしばし後ほど。

今日の一滴="−−−−" (2007/03/09)


 
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