VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 12月下旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2007-12-28-金】

冬コミのお知らせ

今更ながら冬コミについて。3日目東Y-30a「神慮の機械」にて当選しております。

……が、今回オフセの新刊はありません。Fate/Zeroシリーズの続巻につきましては、ちょうど同日に本家の完結編が出ることもあり、やはりそれを踏まえてから書きたいというのが一つ。それ以外に今Fateに対して書きたいモノが見当たらないのが一つ。正直型月の焼畑商法に少々うんざりしてきていて、作品への愛が欠け始めているのも一つ。またやはり来年早々の転居と生活環境変化の準備で案の定てんてこ舞いで、それを押してでも何か一本書こうというモチベーションには至らなかったのが理由です。

当日はhollowとTH2の既刊を持参予定です。おそらく最後の頒布となりますので、お求めの方はこれを機会にどうぞ。またコピ本で「狼と香辛料」の短編を一冊発行予定です。これは後日執筆予定の中編作品の前振り版(といっても小話完結しますが)という位置付けです。ご興味のある方は是非どうぞ。

表紙デザイン

また3日目は東Q-49b「東亜葉鍵特務隊」にて、マブラヴオルタ軍事考察本の表紙及び一部マップを描かせていただいております。この辺りの考察などにグッと来る方、激しくお勧めですのでお立ち寄りくださいませ:)

追記:こんな感じの表紙です(右)。内容は明星作戦に焦点を当てた軍事考察で、如星が過去に考えていたTH2オルタとはもちろん異なる展開ですが、追い込み全開の末期戦の雰囲気に乞う御期待。なおデザインはオスプレイ・ミリタリー・シリーズのノリで:)

今日の一滴="−−−−" (2007/12/28)

【2007-12-31-月】

2007年12月31日(或る冬コミの朝)

午前5時45分、暗い中で目覚ましPCがマブラヴオルタの戦闘曲を詰め込んだプレイリストを掻き鳴らし、しかしそれに急かされることなくムクリと起き上がる。ただ一度寝坊で遅刻しかけた時を除けば、何故かこの日はどんなに睡眠時間が足りて無くても(この日は4時間は寝た)きれいに目が覚める。

それでも寝過ごすのが怖くて、荷物は前日に完全にパッキング済み。持ち込む既刊にPOPにサークル受付票、あとは敷き布や両面テープや赤ペンを詰め込んだイベント設営巾着パックをコムサの安布トランクに詰め込み、鞄にはお買い物用ティア袋や持ち手に巻くタオルハンカチ、お宝記したサークルマップ、入場チケットを忘れず確認。ジーンズだけど防寒とふくらはぎ疲労軽減のためロングホーズを履き込み、腹が冷えると地獄を見るので下腹部に貼るカイロを入れ、お祭り故に身嗜みはキチンと整え、午前6時15分いざ出撃。静かな朝の住宅街にカートの音が響き渡る。……無駄に石畳なんですもの。

今年は少々早めに出たせいか、地元駅で同類(カートにて判断)は見かけず。大体一日12000サークル=サークル参加者は12000〜36000の真中を取って仮に24000人とすると、なんと日本人5000人に1人は同日サークル参加者がいることになる。首都圏ではこの割合はもっと偏るだろうから、東京圏の数千人規模の町の駅には大抵数人のサークル参加者が立っていても不思議は無いのである。地元遭遇率は意外と高いのだ。

同人屋 over SSL。りんかい線大崎を目指して電車に寝ぼけ眼で揺られていると、東の空が赤く染まって日が昇ってくる。今日は大晦日、つまりこれは「終の日の出」とも呼べるなぁ、なんて雅なことを考えながら、数瞬後には眩さに顔をしかめて席を移動する。それでもすっかり目が覚めてしまった頃には大崎到着、すし詰め状態のりんかい線にカートを持って突入。満員電車慣れしていない学生が多いコミケ列車は阿鼻叫喚度が通勤時よりも少々高い。超満員の中でもデカい声でオタクトークに華を咲かせる腐女子にうんざりしつつも、国際展示場で吐き出されて三角お屋根を見上げる頃にはすっかり祭りの気分で一杯になっている。コロッセウムに戻ってマルス像の足に口づけ、古き友よ、我に幸運をと呟く映画グラディエーターのワンシーンが毎度毎度浮かんでくるんだよなぁ、この場所。延々信号待ちのある東入口は避け、西サークル入口を目指して正面広場をゴロゴロ歩く。

午前7時45分、東西通路を抜けて東ホール入りすると、既にホール内にはシャッター特攻連中を散らすスタッフの怒号が響き渡っている。コミケの抱える矛盾の一つの如実な現れだが、まぁもう風物詩みたいなモノで懐かしさすら覚える。自スペに到着し、無造作に積まれた印刷所等のチラシの山を捨てやすいよう整えて片付け(これが毎度面倒)、黙々とスペース設営を開始。いつもならここで机の下に置かれた印刷所直送の新刊の確認に入るのだが、今回は新刊無しの肩身狭き身。脳内でうぐぅうぐぅ言いながら敷き布を掛け既刊を並べてゆく。開場前から既に「新刊ないんですか?」とスペ前に来てくださる方がいたりして、今日の店長の仕事は額を机に打ち付ける事と確定。

午前10時、開場のアナウンスと同時に拍手。雰囲気でなんとなく伝統になってる拍手だけど、自分の中じゃこれは「今回もまた無事コミケが開催できた」ことを祝う拍手に思えてならない。規模こそ巨大なれど、あぶくのように脆弱な御祭機構。その是非はともかく、コミケ(の運営部)は「とにかく決着つけず、永劫グレーを目指す」方向で舵を切っているのだから、この開催の瞬間というのは毎度毎度安堵の拍手な気がするわけだ。もちろん、純粋に狂乱の宴の幕開けを熱狂と共に祝う面の方が強いんだけど。ほら、耳を澄ませば……もとい澄まさなくても、10時の拍手と共に響いてくる一般参加列の狂乱的全力疾走の地響きと、スタッフの静止の怒号の波が──嗚呼、今回もハジマタとしみじみ思う次第:)

今日の一滴="水。" (2007/12/31)


 
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