VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 04月中旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2007-04-13-金】

LE CHOCOLAT DE H & Bar Tellus

スイーツと酒のマリアージュは、ハマると病み付きになる。特にスイーツの中でもパワーの強いショコラは、酒の中でも香り高く力強い蒸留酒と絶妙に合うのだ。……が、この「旨い蒸留酒と旨いショコラ」を出してくれる店は少ない。今あるのは基本的に酒側のバーに旨いチョコレートを少々置いているという形が主で、ショコラティエの側はワイン系を置いているぐらいだろう。前にも書いたけど、タンニンの渋みのある赤ワインをショコラと合わせるのは難しいと思うのだが……。

そんな中、先日こんな記事を発見して矢も楯も堪らなくなり、「LE CHOCOLAT DE Hで酒とショコラをやるぜ計画」が発動。酒はあまり経験が無いけどチョコなら好き、という人と一人寄ってたかって教育する会も兼ね、なるかみさんいわいさんおーたさんらと本日実行してきた次第である。……肝心の被教育者が欠席になってしまったのはご愛嬌。まぁ酒飲みの口実なんてそんなもんですから!(ひどい)

さて、東京ミッドタウンの軽い物見遊山も兼ねて腹ごしらえをし、早速アッシュへと向かう。ラストオーダーが2030時と早いのにがっつり食い物を注文してしまったので全然早速では無いのだがさておき、閉店間際ということで客も自分らだけの中、カウンターに陣取って酒とショコラの合わせについて聞いてみる。が、どうも最初に応対してくれたおねーさんは要領を得ない。「酒とチョコくれ!」なんていう客はやはり少数派で慣れてないということか。これは外したかなと不安が過ぎったが、その後別の男性の方が降りてきてキッチリと対応してくれ一安心。あとでぐぐってみたらここのマネージャの方だったようだ。

酒の方はそんなに種類があるわけではなかったが、アクアヴィテ、モルト(カリラだったが品切れ……)、珍しいところではミードという蜂蜜酒、それから赤ワインでも良くデザートで登場するバニュルスがあり、その辺りをばらけて注文。そこに合わせるショコラは完全に相手にお任せしてみた。結果出てきたのは「ジンジャー、プラリネ、プレーン、木苺、シナモン、キャラメル」のショコラ。どれも単体としては流石の味だったが、中でも酒との合わせの観点から四人一致で感じ入ったのは「シナモン」如星の愛するリシャールのシナモンといい勝負で、アクアヴィテの香りの中にシナモンのスパイス感が漂う感じがツボである。また個人的にヒットしたのは「キャラメル」。単に甘ったるいキャラメルではなく、僅かに焦がしの風味が苦味として入っているため、そのほろ苦さが酒と実に良く合うのである。酒の方も「蜂蜜酒」なんて甘すぎるかと思ったが、たるい甘さではないのでスイーツと合わせても全然問題ない。流石のセレクションであった。

しかし店の方とも少し話したのだけど、やはり2030時ラストオーダーは厳しい。営業時間を遅く出来ない分あまり酒を増やすのも難しいとか何とか。自分達に取っては酒と甘味という非常に好みの形態なのだが、やはりニーズとしてはまだまだ小さいということだろうか。個人的には、この立地(六本木界隈)とネームブランドだったら堂々大人向け酒好き向けのショコラティエを展開してもいいんではと思ってしまうが、まぁ如何せん素人考えである。逆に都心以外でこの手の店は難しい、なんて話もちょろっと余所でしてたもんで、存在し得るならここだろう!という思いはあるんだけどねー。

ともあれ、今宵は満足度も非常に高く店を辞したのでありました。腹具合と飲み気分、そしてタイミングさえ合うならば、是非酒好きの方には試して欲しい遊び方であります:)

で、まぁ飲み足りないわな

さて軽く流すつもりが思いのほか長くなってしまった。結局各自一杯のみのショコラプレイになったわけで、当然ちと飲み足りなさを感じ、そのまま十番のバー・テルスへ。正直久しぶりの訪問だったけど、変わらず覚えてていただいたようで一安心。相変わらず変態(誉)にして高品質の酒を取り揃えているようで何より何より:)

例の広く低いカウンターに巨大な生ハム塊が鎮座していて速攻注文しそうになるが、なんとそれは突き出しで出るということで心を落ち着け、日本酒なんかは結構飲むけど蒸留酒はさほど詳しくないとゆー方々に迷わず変態……いやだから高品質な酒を選んでいくことに。 ……いやね、モルトを試してみたい!というお客さんには普通の店ならアイラなりハイランドなりのシングルモルトなんかを勧めるところだけど、ここじゃ「アランの1995年のやつ」とか「アイラ同士のハーフ&ハーフ」なんてボトルが出てくるワケで。しかも特徴が綺麗に出ていて旨いと来てる。ウォッカを頼めばニュージーランドの酒が登場──実は彼の地は結構どころじゃないウォッカの名産地らしいのだが、国内消費がほとんどであまり海外には出てこないのだとか。出てきたのは仄かに蜂蜜の香る逸品で、この独特の香りに馴染めない人も多いとか(無論我々は嬉々としていただいたが)。そしてテキーラを頼めばまだ日本では出ていない(もうじき輸入代理店がついて売られ出すとか……名前失念)丸い甘みとテキーラらしい香りを併せ持つ名酒が出てくるし、何と言うか「単に変わった酒を出す」ではなく「その味わいを完璧に押さえた上で変わった酒をリコメンドに載せてくる」という辺りが素晴らしい。

一頻り飲んで食ってママーリしていると、置いてあるイベリコ生ハム塊から切り出したラルド(脂部分)をおまけで頂けてしまった。流石はどんぐりだけを食して育った豚らしく、軽く炙った状態のラルドはまるでナッツのような味と香りと舌触り。先日ベッカッチャで食った猪のラルドも旨かったけど、こういう厚みのある濃厚さもいいなぁ。いやはや、最強の酒の揃えに加えてつまみも中々面白いモノを出すようになってきてるみたいで、寛ぎの雰囲気と共にますます使い勝手の良い店になりつつある模様。人と行くなら酒好きをこそ誘って行きたい、そんな気分を持たせてくれる名店である。……十番でさえなければ通うんだけどなぁ(涙)

今日の一滴="−−−−" (2007/04/13)

【2007-04-16-月】

遅ればせながらサンクリ告知

遅ればせながら、今週末のサンクリ35に参加いたします。コ-02a「神慮の機械」にて。

……今回初参加となるサンクリ。なのにまずいきなり申し訳ないのですが、諸般の事情により新刊はありません。どう足掻いても今回は本を出せない状況になっておりまして、予定していたTH2ささら小説の最終巻は6月の次々回サンクリ合わせに延期とさせていただき、今回は既刊のみの持込となります。本当に申し訳ないです。

そして第二に、当人の参加がほぼ絶望的です。年に僅か数回しかない休日出勤がどうしても外せず、如星本人が参加できない初のイベントとなってしまう可能性が大です。今ギリギリ足掻いて1-2時間でも顔を出せないか調整中ではあるのですが……。なお当日の売り子は当サークルの長年のアシスタントにして校正者ですので、作品に関するお話は言うに及ばず、如星宛の苦言等も遠慮なくお言伝くださいませ。

それにしても、元々コミケ以外のイベントに参加する目的は「ゆっくり自スペに座って、訪れてくれる皆様に直接新刊を渡せる事」であり、その両方ともが欠けてしまうのは正直悔しいですし恥ずかしいモンです。誰を恨みようもないのですが、今回ばかりはスケジュールに呪われましたわ……。なんとか当人参加だけでも何とかなるよう最後の足掻きを展開するとしましょう。次回作のプレビューコピーとかも作れると良いのですが。

2007.04.19追記

なんとか13時ぐらいまでは本人参加可能となりました。いえっふー。その後職場とんぼ返りですが。あとはプレビューコピ本を何とか出せればいいんですがね……! TH2オルタプレビューも出したいのに……!

今日の一滴="−−−−" (2007/04/16)


 
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