MACHINA EX DEO
如星的茶葉暮らし

【10月下旬】  今日の日記→

←10月中旬
2002. 2003. 2004.01.02.03.04.05.06.07.08.09.10.11.12.
11月上旬→

酒の一滴は血の一滴。茶の一杯は心の器。ネタの一つは人生そのもの。

【2004-10-24-日】

【中華街:結局いつもの食い倒れ】

今日は久しぶりに中華街へ。何処でも「地元の観光地」というのは意外に行かずに済ませてしまうものだけど、中華街には素直に「そこでしか食えない飯」と「食材補給」という大義名分がある:)

最近はそれに加え、中国茶の補給という理由も出てきた。茶葉を売る店自体は昔から数軒あったけど、最近中国茶が流行ったおかげで、マニアックなものまで含めた豊富な種類の茶葉を素人向けに売る店や、その場で飲める茶屋が増えてくれたしね。もちろん、先のメシや食材同様、別に今時中華街以外でも補給は可能だけど、近場にこれだけ揃っている場所があるんだから使わない手はないのだ。

久々の中華街の店頭は台湾風タピオカミルクティーや豆腐花で溢れてたけど、それこそここまで来たらそぞろ歩きのお供には、その辺の雑貨屋に入って怪しい汁物缶を買わねばもったいない!(w) そんなわけで今回は「冬瓜茶」と「スターフルーツのジュース」を片手に街を歩く。前者は茶とついていてもジュースで、韓国料理屋で出てくるコーン茶を甘くした感じ、俺は好きだけど標準的な日本人は辛いかも。後者は……果汁20%という辺りがいかにも中国製、そして塩気すら感じさせる異様な甘みで、俺は一缶全部と言われたら辛かったと思う。それを普通に飲んでいた相方に、一瞬師を越えた汁物教育の成果を見た(笑)

ちなみに食い物つながりで言えば、最近イタリアに行った時にも思ったけど、食材の違い、という台詞からは、よく野菜を忘れがちである。ところがイタリアで見るトマトやパセリは日本の物とはまったく異なる格別の味があるわけで。今回中華街でもその興味から八百屋を覗くと、陳舜臣の小説で見たような「金針菜」や、何に使うのか丸のままのサトウキビ等、そんな食材に目が行ってしまう。……が、使い方が分からないので今のところ買いようがないのだけどね。

茶葉の補給は例によって悟空茶荘へ。近代中国商館風の雰囲気の中、2階でちょっと飲んでいけるのも嬉しいし、何より店員が総じて茶好きで語れるというのがいい:) レジの傍らにマグを置いて、勤務中も朝から晩まで茶を飲んでるような、そんな茶マニヤ店員さんだからこそ、妙に気取ったブーム的な選び方ではなく、本当の茶飲みの目線で買うものを相談できるのだから。これがなけりゃ、茶葉なんてそれこそ通販でいいんだしね。

今日のお茶
今雨軒謹製 99年野生古樹餅茶

以前から惚れ込んでいる「本物の生茶」。あのペットボトルの不味い上に意味不明の生茶と一緒にしないように(笑)。いわゆる黒茶、プーアル茶の一種なんだけど、普通のプーアルがカビをつけて強制発酵させるのに対し、これは緑茶を固めて自然発酵させたもの。

とにかく驚異的なお茶。まず過剰なカビ臭さは一切なく、それでいてプーアル系の深みがどっしりとある。おまけに熟成された古樹の葉は味を溜め込んでいるのか、何煎でも味わい深く飲めてしまう。普通の中国茶でも4〜5煎は飲めるけど、これは10煎入れてもびくともしないばかりか、最初の強めの黒茶の香りから、段々と水仙のような丸みに変化していく様が楽しめてしまう。俺もこれ1回分だけにお湯を注いで注いで半日過ごしてしまったけど、店員氏曰く「60煎ぐらい行けるんじゃないすかね」とか。一見値段が張るように見えて、恐ろしく経済的なお茶である:)

高山翠玉茶

台湾系の青茶で、2004年春茶。実はまだ飲んでないのだけど、ちょうど台湾系のお茶が切れてたのと、まぁここで売っているモノなら外さないだろうという読みでサクっと購入。

石古坪茶王

大陸系青茶(岩茶)。これは店で飲んだだけで自分は買ってないのだけど、岩茶とは思えぬほど青々としていて、実際香りも緑茶のような芳醇な青さが漂う。味も苦味のバランスが良い優れもので、ああ、良いお茶ってこういうモノなんだなぁ、と実感してしまう一品だった。……うん、だって高いし(笑)

今日の一滴="黒茶:99年野生古樹餅茶" (2004/10/24)

【2004-10-27-水】

【アーリオオーリオを作ってみれば】

如星はパスタ好きで、よく自宅でアーリオ・オーリオをベースに色々とパスタを茹でて食う。外でパスタを食おうと思っても、結構真面目なイタリアンにでも行かないと、お手軽な店ではどうしても日本人好みのうどん茹でになってしまうので、いつの間にか自分の好みは自分で茹でるようになっていた、というだけなんだけど:)(注:いわゆる「カレーライス」と同じで、日本の「スパゲティ」も大好きなので、念の為)

今日も疲れて帰宅、手早く腹を満たせるシンプルパスタに手が伸びたのだけど、ふと一点思い立って、随分前に入手し読みふけっていた料理エッセイ本「アーリオ オーリオのつくり方」を読み返し、我流のアーリオオーリオにちょっと修正を加えてみた。──それだけで格段に旨くなってしまい驚き。単にオリーブオイルをケチらずなみなみ使わないとニンニクが「浮かず」、ちょうど良い香ばしさにならずに焦げてしまうか、それを回避するために香りを引き出しきれていなかったことが判明。単純なことでメシは旨くなるモンだねぇ。

さてこの本、以前この辺りで紹介されていて買ってみた一冊。内容についてはリンク先を見ていただくとして、若干補足。この本は料理というネタを、材料、作り方という王道で語りながら、それでいてしっかりと読み物になっている稀有な文章である。料理本というよりは「イタリアエッセイ」として十分読み応えがあり、イタリアやイタリア人気質好きにはたまらない面白さがあった。……もちろん、貴方のパスタ茹での腕をちょっとだけ上げてくれる効果ももちろんあるのだけど:)

我ら日本人にとって、イタリアというと派手なイタリアンフード、サッカーや車、ブランド、あるいは歴史系辺りが浮かんでくると思うけど、そのいずれが好きな人でも、その裏側を支えている(?)食い物精神、イタリアの「かけそば」に関するこの一冊は、どのジャンルにも何処かしら「ああ」と思わせる部分があると思う。読んでおいて絶対に損は無いですよー。

【今日のお茶:高山翠玉茶】

先日購入した台湾の高山茶。今日早速入れてみたのだけど、まず茶海に注いだ時のその名の通りの美しい翡翠色に驚き。台湾の青茶は(凍頂烏龍とかね)確かに総じて青味がかった水色になるのだけど、こんな新緑を水に溶かし込んだような色は珍しい。まさに中国人の愛した翡翠のような、柔らかくも鮮やかさのある緑である。

実際に飲んでみると、台湾茶独特のミルキーな香りが漂う一方で、その色の通りの心地好い青臭さがしっかりと立っている。発酵が弱めなのか、後味は日本緑茶にも似た感じで、しかし渋みはまったくない。あまりの飲み易さに、あっという間に何煎も入れてしまう、そんなお茶でした。……うん、やっぱり外さなかったな:)

今日の一滴="青茶:高山翠玉茶" (2004/10/27)

【2004-10-30-土】

【ピルグリム・イェーガーの真実】

ぞねに注文していた「ピルグリム・イェーガー(4)」が到着。ピルグリム・イェーガーと言えば、「マルドゥック・スクランブル」で知られたあの冲方丁が原作なのだが、今回届いて初めて気づいたことが……

  1. カバーを外すとネタ絵が描いてあることにようやく気づいた
  2. 折返しに作画者のプロフィールがあることに帯を外して初めて気づいた
  3. この日記を書くために、作画者の名前を初めて知った(ぇ)
  4. え、初回レビュー時に作画者名書いてるじゃん
  5. 多分明日には忘れている

……世の中の認識もそんなものかもと思う今日この頃。合掌。'

ま、同時に月姫読本PPやらその他届いているので、読後感想等は後日:)

今日の一滴="−−−−" (2004/10/30)

神慮の機械マキーナ・エクス・デオ」へ戻る

▼ご意見・ご批判・恋文等あればこちらまで。なお公開してよい内容でしたら掲示板へどうぞ。
(ハンドル名等で結構です)
(空でも結構です)
(適当な概要をご入力ください)