VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2008-10-23-木】

ヤンデレ本入稿のお知らせ

また更新に日が空いてしまいましたが、取り急ぎ同人誌・執筆関連の告知など。

まず、有栖山公園発行のヤンデレ合同誌のデザインを担当、本日入稿完了いたしました。11/03のヤンデレオンリーにて発行予定です。前回の商業誌デザインよりはもう少し同人寄り、かつ若干連続性を匂わせた造りとしています。また中扉なども結構凝らせていただきました。

内容についても、個人的には特にa-parkさん葉月倫さんぶどうさんのお三方の作品がかなりツボでした。創作小説というこのジャンル、自分ももう少しマジメに手を出してみるかな、とも。……特に最近、個人的にSF分を注入してみたぶどうさんの作品がモロSF色になっていて勝利気分だったり。てか吸収速いな!

ともあれ、有栖山さんの方では書店売りなども予定されてるようなので、是非一度お手に取ってご覧くださいませ。

トータル・イクリプス外伝短編小説

続いて執筆関連のご連絡を。10/31に発売されます「MUV-LUV ALTERNATIVE TSF CROSS OPERATION」──オルタの外伝である「トータルイクリプス(TE)と、Hobby Japanで進行中のジオラマストーリー「TSFIA」の合同ムック本に、TEのタリサの外伝小説を書かせていただきました。

夏コミのオルタファンブックへの二次創作「公認化」掲載に続き、初の商業向け書き下ろし作品となります。その他オルタネタもてんこ盛りと聞いていますし、特にHobby Japanのジオラマストーリーシリーズはジャンル違いという事で、オルタファンでも追っている方は少ないんじゃないでしょうか。個人的に非常にお勧めの熱いシリーズですので、その辺りを含め、是非ご覧いただければ幸いです。

……いやしかし、昨年冬コミで南条さんのオルタ本を手伝って以来、まさかこんなことになるとは……。あれだけ強く感化された作品に公式で関与できるのは創作屋としてこの上ない喜びです。オルタの名に恥じぬよう今後とも精進して行こうと思いますので、よろしくお願いいたします。

(2008/10/23)

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【2008-10-26-日】

アマルフィ旅行記(4):ローマ教会巡り紀行

先日書いた通り、ローマの朝、僅か3時間半を使った教会巡りを敢行。時差の取れていない身体を逆手にとって6時に起床し、街中のバールで朝飯。早朝から開いてるバールは朝の町歩きの強い味方なのだ:)

聖マリア・マッジョーレ大聖堂

空が朝焼けに染まっていく中、坂の多いローマ市街を抜けていくと不意に現れる聖マリア・マッジョーレの広場。予備知識はあまり無かったのだけど、改装による複数の建築様式が不思議と調和を保っている、という評判がよく分かるファサード(正面)だ。特に如星的には正面右手の鐘楼、ロマネスク様式だが、その紋様に何処かルネッサンスの萌芽を感じさせる端整なデザインがツボである。また写真ではわからないが、正面二階奥には金色のモザイク画が一面に描かれている。何でも13世紀のモノだとか。

早朝の、しかも巨大な教会というのは実に独特の雰囲気がある。薄暗い中、身廊上の高窓から差し込むほのかな光。身廊はローマ風の巨大な多数の柱で囲まれており、「バジリカ様式」つまり古代ローマの集会場スタイルをそのまま感じることができる。ローマファンにはこの点も嬉しかったり。

なお後述のラテラーノ大聖堂でも感じたのだが、翼部分の礼拝堂では当然のように朝のミサが進行中であり、諸所の懺悔室にはところどころ灯りが点る。教会史にその名を刻み、典礼上も重要な意味を持ち、そして観光名所にもなるこれらの巨大な聖堂が、地元の教会として当然のように「現役で機能中」という事実が静かに伝わってくるのが面白い。

聖ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂

続いて訪れたのがこの教会。聖ピエトロ大聖堂改築以前は最上位の教会であった大聖堂である。……右の遠景写真でみると単なる町の教会風だが、この写真は(撮ってみて気づいたが)ほとんど騙し絵に近い。現実のサイズは下の写真の人物から想像して欲しい。

……聖ピエトロ大聖堂の写真でも似たような事を感じるのだが、普通の教会正面デザインのままスケールが化け物じみてるので、対比する物がないと大きさが捉えられないのだ(苦笑)。ネオクラシックとのことだが、正直大味さを感じてしまうファサードである。この辺は聖マリア・マジョーレの圧勝。

ま、如星としてはこの聖堂正面の真打はこの中央大扉、かつてのローマ帝国元老院からかっぱいで来たという青銅の大扉である。現在フォロ・ロマーノに残る元老院議事堂も20世紀の復元品に過ぎない今、カエサル・アウグストゥス時代のよすがを最も強く感じさせてくれるのがこの扉なのだ。

扉を散々撫でまわして痛いローマファンプレイを満喫した後、内部へ。朝の光が白い身廊に映えて美しく、一方の側廊は薄暗い中に留まり、わずかに差し込む光の中に浮かぶ壁画が神々しい。この光のコントラストは片側からしか光の入らない朝ならではの光景で、早朝の教会巡り計画は大当たりだったなとしみじみ思う(先日書いたようにあまりに当たり過ぎ、この二つの大聖堂にかなり長く入り浸ってしまったため、当初フォロ・ロマーノを見下ろすはずだった予定を繰り上げて駅前に戻る羽目になったのだが!)。なおこちらでもミサは礼拝室(?)で進行中、懺悔室は「四ヶ国語OK」の看板と共に完璧に営業開始済であり、生きた教会の姿がまさにそこにあった。

ちなみにこの二つの聖堂は「フラッシュ禁止だが写真はOK」という珍しいパターンで、存分に内部を撮りまくることができた(無論礼拝室等は除く)。あまりに巨大なので、多少のカメラなんぞ大して「祈りの場にくる人々」を妨げないという発想なのだろうか……。

ローマ・その後

ラテラーノ大聖堂の前から一直線に伸びる道につけられた名前は「Via Appia」。アッピア街道!と一瞬色めき立つが、こちらは18世紀に新設された「新道」なことがわかってしょんぼりする(ちなみに少し先で合流し、今もなお高速道路として健在の「アッピア街道」としてイタリアの踵・ブリンディジまで伸びている)

ラテラーノ大聖堂を抜けてフォロ・ロマーノ方面に下りていく間にも、いくつかの小さい教会や遺跡の前を通り、時折その前の石段などで「校外授業」と思わしき講義中の教師と生徒の集団をちらちら見かける。まぁこれだけ「史料」に囲まれた街ならば、毎週校外授業をやっても成立するだろう。羨ましい限りだ:)

ちなみに「ミケランジェロが古代の建築に敬意を表して浴場跡を改築した教会!」と期待の掛かった、駅前の「天使と殉教者の聖マリア聖堂」だが、古代風なのはファサードだけ、中は割と普通の教会であった……しょんぼり2。「ルネサンスと古代の融合」と称し、今ではイタリアの国葬に使われるぐらい重要な聖堂らしいのだが、これならばフォロ・ロマーノ見下ろしを優先させてもよかったなぁ、と。

最後にちと画竜点睛を欠いてしまったが、ローマ早朝散歩行は大成功のうちに終了。やたらと快適なES Italia AVを駆り、次の目的地はナポリを経由してカプリ島である。日記はそちらへ続く。

(2008/10/26)

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