VERBA VORANT, SCRIPTA MANENT.

ToHeart2小説雑想ノート

ToHeart2 (XRATED) 愛佳ラストシーンを如星節で書き足すとしたらSS風。

「俺たちは決して、誰もいない砂漠を歩いてたわけじゃない」の辺りを拡張したとお考えください:)

維如星ウェイ・ルーシン

世界からの贈り物

愛佳シナリオ雑想ノート

自分よりも他人を優先させて生きる正義の味方が、
報われることなどありえない。
そもそも、本人がそんなモノを求めない。
求めていないものは、誰一人として与えられない。
最後まで足掻いて。
最期まで偽善者と罵られながら、
止まらない血を地に流してゆく。


だが。自分に還らない金貨を世界に積み続けた者が、
ただ一度だけでも、世界から贈り物をもらえたなら。

それは、この上ない夢だけど、
奇跡とは、そもそも夢みたいなモノのことなのだ。


───桜の花が、世界から舞い落ちる。
地は決して、流した血を吸い込むだけの砂漠ではなく。
世界に手を伸ばし、地に立つ樹々をそっと揺らすなら。

一途な正義の味方が、まだそれに気づけないのなら、
そっと手を差し伸べ、振り向かせよう。


ただ一度の贈り物。
この時を舞い散る花びらは所詮、世界からの気紛れな贈り物に過ぎない。


だが。それを降らせた梢は確かな木陰となって、
振り仰げば必ず、そこにある。

あとがき -postscript-

あまり多くは申しますまい:)

ToHeart2 XRATEDより、小牧愛佳。通称いいんちょ。その最後の描写が、あまりにホロウのトーンと重なり、涙がこぼれそうになったため。またそれにしてはTH2X側の書込み量があまりにも足りず、自分ならこうしてやると言う想いが湧いたため(笑)

いいんちょシナリオレビュー、並びにホロウとの対比など、詳しくはこちらを。

いつかこれを基調とした愛佳短編でも書いてみたいですね。ま、オチだけ先に書いてあるのもどうかとは思いますが。

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