ゲームコラム・MGS2その他雑感

MACHINA EX DEO

メタルギアソリッド2
あるいはPS2でのアクションとRPG

Metal Gear Solid 2

コナミMGS2(メタルギア・ソリッド2)をジリジリとプレイ。

実は前作をやったことがないのだけど……。さすが全体を貫いてるトーンは素晴らしい。スクウェアの目指す「映画的」が薄っぺらく見えるほど(いや事実薄いのかもしれんが)映画を彷彿とさせる演出を使いながら、しっかりと「究極の隠れんぼゲー」です。

個人的には、「The Rock」「Enemy of the State」を手掛けたHarry Gregson-Williamsによる音楽が熱く燃えるんですが(^^;; わーい。

さて2周目以降、映画的要素は鳴りを潜め(単にプレイヤーの感覚ですが)、猿のようにやり込めるゲームになっています。特に麻酔銃と戦闘回避だけで進む「ゼロKILL」プレイと、わざわざ敵をホールドアップすると(接近しなきゃいけないし、その間他の敵兵に見つかりやすい)敵が落とすドッグタグのコンプリート、両方の合わせ技など、極めていけるのです。

これらのやり込みプレイの興味深いところは、とにかく本筋のゲームの腕前を上げていなきゃならない、って点。ただプレイするよりもはるかに高度な戦術と技術が必要とされ、プレイヤーの力量が問われます。と同時に、純粋なタイムアタックやスコアアタックとは一風違い、普通にプレイするのとはまた違った角度からゲームを楽しめます。

もちろん、別にそんなことしなくてもクリアできるわけで、5段階の難易度設定と合わせて、初心者プレイヤーへの敷居は低いままに抑えられているのもポイント。

やり込みだからといって、決して近年のFFシリーズのように、敵兵とカードゲームをしたり、潜入施設内を動物になって巡ってアイテムを集めたりする必要はないのですよ:p そのようなそのゲームの本質から外れたミニゲームで「やり込めるゲーム」を謳うような、狡っからい面は一切なし。また、その狡っからい余計なプレイをしないと本筋を有利にする重要アイテムが手に入らない本末転倒なFFとは違い、MGS2でのこれらのプレイに対する報酬は、実際には大して役に立たないアイテムばかり。

重要なのはそのプレイを成し遂げたという事実。FFの「ミニゲームをやり遂げた事実」などは唯の暇人の証にしかならないわけで、「MGS2のやり込み」の名に相応しい本筋での極めであるからこそ許されるスタイルと言えるでしょう。



如星も「処理能力の向上とゲームの面白さは反比例する」の法則に同調して、最近のゲーム傾向に対して御多分に漏れず不安を持ってました。ところが、エースコンバット04、メタルギアソリッド2と、PS2でのゲームを2本こなしてみると、なかなかどうしてこれが面白い。面白いだけではなく、表現の幅が広がったことを素直にゲームに生かしている。操作して、遊んで、楽しいんですよ。

この傾向はアクション系ゲームに見られるようで(「Rez」など好い例)、逆にRPGは冬の時代に頭からはまり込んでしまった感すらありますね。映像と、キャラ萌え(あえて使う。FFのみならず、他のRPGを支えているのが、男女共にキャラ萌えする人々である点は否定できない)で売るRPGばかりなのは何故なのか。それでは安いギャルゲーと変わらないではないですか。

自分がそのキャラになりきり、アクションを必要としない行動の選択と、アクションゲームでは到達できない、じっくりと時間を掛けて味わえる世界観。それこそがRPGの真髄だったはずなんですが……。

PS2以降のゲーム機によって(もちろんそれだけではないですが)、アクションゲームが見事な世界観を生み出せるようになってしまった。これに対して、FF10のようなRPGは、確かに映像の華麗さで世界観を演出していますが、実際のゲーム部分はどうなのでしょう。その処理能力を生かした、RPGならではの新しい地平は果たして生まれているのんでしょうか……?

その答えがネットワークRPGである可能性は高いですね。
他人とのインタラクションによって、アクションでは到達できない世界観、プレイヤ=キャラの一体感。まったく異なるゲーム感を生み出していても不思議はありません。

残念ながら、如星は横浜でありながらブロードバンドの真空に住んでいる為、ネットワークRPGをプレイしたことがなく、意見すら書けないのが悔やまれます……


というわけで結論は、NTTが悪い、ってことで。(ぉぃ)

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